交通事故の損害(後遺障害逸失利益)

逸失利益とは、当該交通事故がなければ被害者が将来得られるであろう経済的利益を失ったことによる損害です。逸失利益には、後遺障害による逸失利益と死亡による逸失利益の二つがあります。

 後遺障害逸失利益の算定方法は、

基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間×ライプニッツ係数となります。逸失利益は将来にわたっての事情になりますので、逸失利益認定にあたっては、減収の有無だけでなく、後遺障害の内容、労働能力低下の程度、職務内容、配置転換、退職の可能性、勤務先の規模、雇用環境、被害者の努力、日常生活上の支障等々を総合して認定します。なお、18歳未満の者については、通常、就労の始期が18歳とされていることから、上記計算式のライプニッツ係数については、67歳までのライプニッツ係数から18歳に達するまでのライプニッツ係数を差し引くことになります。

 労働能力喪失率とは、労働能力の低下の程度のことをいいます。労働能力低下の程度は、自動車損害賠償保障法施行令別表を参考にします。裁判例はおおむねこの労働能力喪失表によって判断しているものがほとんどですが、被害者の後遺障害の内容、職務内容、事故前後の稼働状況等々を考慮してこの表と違う喪失割合が認定されることもあります。減収が生じていない場合についても、本人の努力等によって減収を免れているとして逸失利益を認めている裁判例もあります。この表によると、後遺障害14級の場合は5%、後遺障害13級の場合は9%、後遺障害12級は14%、後遺障害11級は20%、後遺障害10級は27%、後遺障害9級は35%、後遺障害8級は45%、後遺障害7級は56%、後遺障害6級は67%、後遺障害5級は79%、後遺障害4級は92%、後遺障害3級~1級は100%の労働能力喪失率となっています。

 労働能力喪失期間の始期は症状固定日であり、未就労者の場合は原則18歳からとされています。終期は原則として67歳であり、例外として症状固定時から67歳までの年齢が年数が平均余命の2分の1よりも短くなる高齢者の労働能力喪失期間は、平均余命の2分の1とされます。症状によっては期間を制限されることがあり、例えば、むちうちの場合には5年や10年に期間を制限されることが多いので注意が必要です。

 逸失利益の請求は将来の損害を一時金で受け取ることになりますので、中間利息の控除が必要になります。そして、原則として中間利息控除率年5%のライプニッツ係数を使うことになります。

 次に基礎収入の算定方法になりますが、給与所得者の場合、事故前の収入を基礎として算定します。収入には本給の他に歩合や各種手当を含みます。原則として事故前の収入を基礎としますが、30歳未満の若年で、現実収入が賃金センサスの平均賃金よりも低い場合には賃金センサスの平均賃金を基礎収入とすること等もあります。また、税込金額を是基礎とします。

 事業所得者の場合、原則として申告所得を基礎とすることになります。事業所得に本人以外の稼働による利益が入っている場合には、基礎収入となるのは、本人自身の稼働による利益分(本人寄与部分)になります。現実収入が平均賃金以下の場合には、平均賃金が得られる蓋然性があれば、男女別の賃金センサスによることになります。

 会社役員についても、基礎となるのは、本人の労務提供の対価となる報酬部分に関してのみであり、利益配当の実質を持つ部分は基礎収入としては認められません。

専業主婦の場合は、原則として全年齢平均賃金を基礎とします。有職の主婦の場合、実収入が全年齢平均を上回っている場合には実収入を基礎としますが、下回っている場合には全年齢平均賃金を基礎とします。

幼児、学生等の無職者は原則として全年齢平均賃金を基礎とします。ただし、大学生等は学歴別平均賃金で使用して修正する可能性はあります。

それ以外の無職者は就労の蓋然性がある場合には、全年齢平均賃金を基礎とします。

外国人の場合、適法な在留資格を所持している場合には、日本人と同様に計算します。しかし、不法滞在者の場合には、日本における収入額と、本国における収入額を基礎として計算することになります。

 

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