中国人の刑事弁護(強盗、強盗致死傷、強盗強姦)

強盗罪、強盗致死傷、強盗強姦罪で逮捕されてしまった場合、どのように対応したら良いでしょうか。強盗罪、強盗致死傷、強盗強姦罪について、刑法では以下のように規定されています。

刑法

(強盗)

第236条  暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(強盗予備)

第237条  強盗の罪を犯す目的で、その予備をした者は、2年以下の懲役に処する。

(事後強盗)

第238条  窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

(昏酔強盗)

第239条  人を昏酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。

(強盗致死傷)

第240条  強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

(強盗強姦及び同致死)

第241条  強盗が女子を強姦したときは、無期又は7年以上の懲役に処する。よって女子を死亡させたときは、死刑又は無期懲役に処する。

(他人の占有等に係る自己の財物)

第242条  自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。

(未遂罪)

第243条  第235条から第236条まで及び第238条から第241条までの罪の未遂は、罰する。

 

強盗罪における暴行脅迫の程度は、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度のものとされています。強取とは、暴行・脅迫を用いて相手方の反抗を抑圧しその意思によらずに財物を自己または第三者の占有に移す行為をいいます。2項によって、財物のみならず、財産上の利益も対象となります。強盗の具体例としては、銀行強盗、コンビニ強盗、タクシー強盗等々が考えられます。なお、ひったくりは窃盗罪となるのが大半ですが、被害者の反抗抑圧のために暴行等が行われた場合には強盗罪が成立します。

237条により予備についても処罰されます。

238条の事後強盗については、窃盗犯人が主体となっています。この窃盗には窃盗の既遂未遂は問われません。窃盗犯が、財物を得てこれを取り返されることを防ぐため、逮捕を免れるため、または罪跡を隠滅するために暴行脅迫をした場合に成立します。具体例としては、万引き犯人が警備員や万引きGメンに呼び止められた際に、殴り倒して逃走を図った場合等が考えられます。事後強盗は強盗と同様に処罰されます。

239条は昏睡強盗の規定です。昏睡させるとは、意識作用に障害を生じさせ、財物についての支配が事実上困難になる状態に陥れることをいいます。方法に制限はありませんが、薬物投与等が典型的です。昏睡強盗も強盗と同様に処罰されます。

240条は強盗致死傷罪の規定になります。主体は強盗となっていますが、この強盗とは強盗犯人をいいます。既遂未遂は問いません。強盗予備罪の犯人は含まれません。事後強盗罪、昏睡強盗の場合も含まれます。行為は人を負傷させ、死亡させることになります。具体例としては、強盗の際に殴り飛ばしたり、凶器を使用したところ、被害者に傷害を負わせてしまったり、死亡させてしまった場合になります。無期懲役や死刑も規定されており、非常に重く処罰されます。なお、手続きも通常の裁判ではなく裁判員裁判となります。

241条は、強盗強姦罪、強盗強姦致死傷罪についての規定になります。強盗犯人が強姦をはたらいた場合、さらには傷害を負わせたり、死亡させてしまった場合となります。無期懲役や死刑も規定されており、非常に重く処罰されます。なお、手続きも通常の裁判ではなく裁判員裁判となります。

 

以上説明をしましたが、有効な弁護活動はやはり、被害者との示談ということになります。示談が成立し、被害者が許してくれるのであれば、量刑上は非常に有利になると思われます。通常の強盗であれば、被害金額等を参考に示談金を考えますが、傷害や死亡させてしまった場合には、慰謝料や逸失利益等を上乗せしなければならないので、莫大な金額になることもあります。そうだとしても、示談は非常に有効な弁護活動になりますので、できるだけの金額を用意して、弁護士に示談を依頼するのが良いでしょう。

上記強盗罪等は非常に重い犯罪ですので、勾留されずに早期に釈放されるというのは少ないです。とはいっても、示談がまとまることによって釈放されたり、保釈が通りやすくなったりもしますので、弁護士と相談してあきらめないことが重要です。

なお、否認している場合は特に、取調べ対応が非常に重要になりますので、できるだけ早く弁護士に依頼することをお勧めします。

 

中国人の刑事事件、逮捕、強盗、強盗致死傷、強盗強姦、示談に関するご相談は、中国語の話せる弁護士永田洋子にご相談ください。

電話番号0800-700-2323(フリーコール)

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