外国人・中国人の刑事弁護、在留特別許可(売春、売春防止法違反)

【刑事手続】
外国人、中国人の方が売春防止法違反で捕まる場合、多くある事案は、売春の勧誘、売春の周旋、管理売春の事案です。
これらの犯罪で警察が捜査がした場合、逮捕勾留されることが一般的です。また、余罪が多い場合は逮捕勾留が繰り返されることが多く、否認している場合や共犯者がいる場合等には接見禁止が付される可能性があります。接見禁止が付されている場合には弁護士しか面会できないので、注意が必要です。
逮捕勾留期間が終了し、検察官が終局処分をする場合には、認めている場合には起訴されることが一般的です。否認している場合には不起訴になる場合もあります。起訴されて略式罰金になった場合には釈放されますが、略し罰金以外の場合には、起訴後も保釈が認められない限りは勾留が続きます。自動的に保釈が認められるのではなく、保釈請求をしないと保釈の許可は出ませんので注意してください。保釈が認められれば裁判終結まで一時的に釈放されます。なお、保釈のためには保釈金を裁判所に納付する必要がありますが、この保釈金は保釈中に逃亡を図ったり、裁判所に決められたルールを破る等の問題行動を起こさなかった場合には、裁判終結時に返還されることになります。
最終的な判決ですが、売春の勧誘の場合には、前科がない初犯の場合は罰金処分で終わることが多いです。また、売春の周旋の場合も前科がない場合には執行猶予が付される可能性があります。反面、管理売春等、業として売春をさせていた場合、初犯でも実刑に処される可能性が高いので、捜査段階から裁判まで弁護人とよく打ち合わせをして裁判に臨むことが重要です。
なお、違法マッサージ店、違法デリヘル店等の摘発の場合、逮捕勾留段階では風営法違反、入管法違反等で摘発し、基礎段階で売春防止法違反で起訴されるケースもあります。
【入管手続】
ここまでが刑事事件の流れになりますが、外国人、中国人の場合、何かしらの在留資格ビザを持って日本に滞在しているものと思われます。
しかし、売春で刑事事件になり、発覚した場合には、入管法24条4号ヌによって退去強制事由に該当します。退去強制事由に該当する場合には、原則的には国外退去となり、在留特別許可を得ない限りには日本にいることができなくなってしまいます。また、ここで注意が必要なのは、刑事事件で有罪判決を受けることが要件になっていないことです。発覚すれば、退去強制事由に該当します。そうすると、刑事事件と退去強制手続きが平行して行われることも可能ですが、実務上は刑事裁判が終了後、退去強制手続きが進行することが多いです。よって、日本に居続けるためには刑事裁判後、退去強制手続内で在留特別許可を得る必要があります。
在留特別許可を得ることができなかった場合には一旦日本を出なければなりませんが、再度日本に入るためには、上陸手続が必要になります。しかし、この上陸のタイミングでも、売春に従事していた過去があると上陸拒否事由に該当するため、原則的には上陸することはできなくなります。しかし、上陸特別許可を得ることにより上陸することが可能となります。上陸特別許可を得ようとする場合には、まずは、在留資格認定証明を取得するための手続きをして、上陸前に入国管理局に入国可能か判断してもらうことが有用といえるでしょう。
このように、売春が発覚すると刑事事件、入管事件双方で手続きがあります。また、日本に居続けるためには在留特別許可等の手続きが必要となります。在留特別許可の手続きでは口頭審理という手続があります。
在留特別許可、上陸特別許可の双方とも、ご自身の有利な事情を十分に主張する必要がありますので、専門家である弁護士にご相談されることをお勧めします。
なお、口頭審理では行政書士は代理人にはなれず、弁護士しか代理人にはなれませんので注意してください。

外国人・中国人の刑事弁護、入管手続、在留特別許可は弊所にご相談ください。
東京0800-700-2323
神奈川0467-38-8263
名古屋052-253-8826

【資料】
売春防止法
第二章 刑事処分
(勧誘等)
第五条 売春をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者は、六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
一 公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。
二 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
三 公衆の目にふれるような方法で客待ちをし、又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。
(周旋等)
第六条 売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
2 売春の周旋をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者の処罰も、前項と同様とする。
一 人を売春の相手方となるように勧誘すること。
二 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
三 広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。
(困惑等による売春)
第七条 人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2 人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせた者は、三年以下の懲役又は三年以下の懲役及び十万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
(対償の収受等)
第八条 前条第一項又は第二項の罪を犯した者が、その売春の対償の全部若しくは一部を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、五年以下の懲役及び二十万円以下の罰金に処する。
2 売春をした者に対し、親族関係による影響力を利用して、売春の対償の全部又は一部の提供を要求した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
(前貸等)
第九条 売春をさせる目的で、前貸その他の方法により人に金品その他の財産上の利益を供与した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
(売春をさせる契約)
第十条 人に売春をさせることを内容とする契約をした者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2 前項の未遂罪は、罰する。
(場所の提供)
第十一条 情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2 売春を行う場所を提供することを業とした者は、七年以下の懲役及び三十万円以下の罰金に処する。
(売春をさせる業)
第十二条 人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とした者は、十年以下の懲役及び三十万円以下の罰金に処する。
(資金等の提供)
第十三条 情を知つて、第十一条第二項の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、五年以下の懲役及び二十万円以下の罰金に処する。
2 情を知つて、前条の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、七年以下の懲役及び三十万円以下の罰金に処する。
(両罰)
第十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第九条から前条までの罪を犯したときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
(併科)
第十五条 第六条、第七条第一項、第八条第二項、第九条、第十条又は第十一条第一項の罪を犯した者に対しては、懲役及び罰金を併科することができる。第七条第一項に係る同条第三項の罪を犯した者に対しても、同様とする。
(刑の執行猶予の特例)
第十六条 第五条の罪を犯した者に対し、その罪のみについて懲役の言渡をするときは、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二十五条第二項ただし書の規定を適用しない。同法第五十四条第一項の規定により第五条の罪の刑によつて懲役の言渡をするときも、同様とする。

入管法
(上陸の拒否)
第五条 次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に上陸することができない。
四 日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。ただし、政治犯罪により刑に処せられた者は、この限りでない。
七 売春又はその周旋、勧誘、その場所の提供その他売春に直接に関係がある業務に従事したことのある者(人身取引等により他人の支配下に置かれていた者が当該業務に従事した場合を除く。)
(上陸の拒否の特例)
第五条の二 法務大臣は、外国人について、前条第一項第四号、第五号、第七号、第九号又は第九号の二に該当する特定の事由がある場合であつても、当該外国人に第二十六条第一項の規定により再入国の許可を与えた場合その他の法務省令で定める場合において、相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、当該事由のみによつては上陸を拒否しないこととすることができる。
(退去強制)
第二十四条 次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続により、本邦からの退去を強制することができる。
ヌ 売春又はその周旋、勧誘、その場所の提供その他売春に直接に関係がある業務に従事する者(人身取引等により他人の支配下に置かれている者を除く。)
(法務大臣の裁決の特例)
第五〇条 法務大臣は、前条第三項の裁決に当たつて、異議の申出が理由がないと認める場合でも、当該容疑者が次の各号のいずれかに該当するときは、その者の在留を特別に許可することができる。
一 永住許可を受けているとき。
二 かつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるとき。
三 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものであるとき。
四 その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき。
2 前項の場合には、法務大臣は、法務省令で定めるところにより、在留資格及び在留期間を決定し、その他必要と認める条件を付することができる。
3 法務大臣は、第一項の規定による許可(在留資格の決定を伴うものに限る。)をする場合において、当該外国人が中長期在留者となるときは、入国審査官に、当該外国人に対し、在留カードを交付させるものとする。
4 第一項の許可は、前条第四項の規定の適用については、異議の申出が理由がある旨の裁決とみなす。

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