強姦罪で逮捕されてしまった場合、どのように対応したらよいでしょうか。まずは、強姦罪の条文をご紹介いたします。
(強姦)
第177条 暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
(準強制わいせつ及び準強姦)
第178条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。
(集団強姦等)
第178条の2 二人以上の者が現場において共同して第百七十七条又は前条第二項の罪を犯したときは、四年以上の有期懲役に処する。
(未遂罪)
第179条 第百七十六条から前条までの罪の未遂は、罰する。
(親告罪)
第180条 第百七十六条から第百七十八条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2 前項の規定は、二人以上の者が現場において共同して犯した第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪については、適用しない。
(強制わいせつ等致死傷)
第181条 第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2 第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。
3 第百七十八条の二の罪又はその未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。
13歳以上の女子に暴行脅迫を用いて姦淫した場合に強姦となります。13歳未満の場合には、暴行脅迫を用いずに同意があったとしても強姦罪となります。量刑は3年以上の有期懲役ということになります。飲酒や薬物等で心神喪失または抗拒不能にさせて姦淫した場合、心身喪失、抗拒不能に乗じて姦淫した場合も準強姦罪として強姦罪と同様に処罰されます。3年以上の有期懲役と幅がありますが、これは暴行脅迫の程度や住居侵入を伴うものか否か等の強姦の態様や前科関係等々を考慮して量刑は決められます。180条を見ていただければお分かりだと思いますが、強姦罪は親告罪なので、示談して告訴を取り消してもらえれば不起訴となります。
178条の2は集団強姦罪の規定になっています、世間を騒がせた大学でのサークルでの事件をきっかけに新設されたものになります。量刑は4年以上の有期懲役となっており、通常の強姦罪より重くなっています。また、180条の対象となっていませんので、親告罪でもありません。
181条2項は強姦致死傷罪の規定で量刑は無期または5年以上の懲役となっています。181条3項は集団強姦致死傷の規定で、量刑は無期または6年以上の懲役となっています。いずれも怪我や死亡させてしまった場合の規定であり、通常より重く処罰されます。また、親告罪の対象ではなく、裁判員裁判対象事件ということになります。親告罪ではありませんが、怪我の程度や被害者の意思等から示談をして告訴取消まで取得できた場合には不起訴になる場合もあります。起訴されてしまった場合でも、示談成立は量刑に大きな影響をあたえますので、示談の重要性は変わらないといえます。
上記の通り、強姦罪で認めている場合にはまずは示談を検討することになります。示談は弁護士に依頼することになります。とくに性犯罪の場合には、被害者が加害者本人に連絡先を教えることは考えづらいので、弁護士に依頼するのが良いでしょう。
なお、否認している場合でも、取調べ対応が非常に重要になりますので、できるだけ早く弁護士に依頼することをお勧めします。
中国人の刑事事件、逮捕、強姦、示談、告訴取消しに関するご相談は、中国語の話せる弁護士永田洋子にご相談ください。
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