入管法では各種の届出義務が定められており、届出義務違反については罰則も定められています(入管法71条の2、71条の3)。
・住居地の新規・変更届は、新たに住居地を定めてからあるいは住居地の移転後14日以内に在留カードを持参して市区町村に届け出る必要があります(入管法19条の7ないし19条の9)。
・氏名、生年月日、性別、国籍等が変更した場合は、14日以内に旅券・写真・在留カードを持参して地方入国管理局に届け出る必要があります(入管法19条の10)。
・就労の在留資格や投資・経営、留学等の在留資格であって、所属機関の名称や所在地の変更、消滅、離脱、移籍があった場合は、14日以内に地方入国管理局に在留カードを持参して出頭するか、東京入国管理局に郵送で届け出る必要があります(入管法19条の16第1号)
・日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、家族滞在等の在留資格で配偶者として在留する場合に、その配偶者と離婚・死別した場合は、14日以内に地方入国管理局に在留カードを持参して出頭するか、東京入国管理局に郵送で届け出る必要があります(入管法19条の16第3号)。
なお、入管法の定めは以下の通りです。
(新規上陸後の住居地届出)
第十九条の七 前条に規定する中長期在留者は、住居地を定めた日から十四日以内に、法務省令で定める手続により、住居地の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項 の指定都市にあつては、区又は総合区。以下同じ。)の長に対し、在留カードを提出した上、当該市町村の長を経由して、法務大臣に対し、その住居地を届け出なければならない。
2 市町村の長は、前項の規定による在留カードの提出があつた場合には、当該在留カードにその住居地の記載(第十九条の四第五項の規定による記録を含む。)をし、これを当該中長期在留者に返還するものとする。
3 第一項に規定する中長期在留者が、在留カードを提出して住民基本台帳法 (昭和四十二年法律第八十一号)第三十条の四十六 の規定による届出をしたときは、当該届出は同項の規定による届出とみなす。
(在留資格変更等に伴う住居地届出)
第十九条の八 第二十条第三項本文(第二十二条の二第三項(第二十二条の三において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第二十一条第三項、第二十二条第二項(第二十二条の二第四項(第二十二条の三において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第五十条第一項又は第六十一条の二の二第一項若しくは第二項の規定による許可を受けて新たに中長期在留者となつた者は、住居地を定めた日(既に住居地を定めている者にあつては、当該許可の日)から十四日以内に、法務省令で定める手続により、住居地の市町村の長に対し、在留カードを提出した上、当該市町村の長を経由して、法務大臣に対し、その住居地を届け出なければならない。
2 前条第二項の規定は、前項の規定による在留カードの提出があつた場合に準用する。
3 第一項に規定する中長期在留者が、在留カードを提出して住民基本台帳法第三十条の四十六 又は第三十条の四十七 の規定による届出をしたときは、当該届出は同項の規定による届出とみなす。
4 第二十二条の二第一項又は第二十二条の三に規定する外国人が、第二十二条の二第二項(第二十二条の三において準用する場合を含む。)の規定による申請をするに際し、法務大臣に対し、住民基本台帳法第十二条第一項 に規定する住民票の写し又は住民票記載事項証明書を提出したときは、第二十二条の二第三項(第二十二条の三において準用する場合を含む。)において準用する第二十条第三項本文の規定による許可又は第二十二条の二第四項(第二十二条の三において準用する場合を含む。)において準用する第二十二条第二項の規定による許可があつた時に、第一項の規定による届出があつたものとみなす。
(住居地の変更届出)
第十九条の九 中長期在留者は、住居地を変更したときは、新住居地(変更後の住居地をいう。以下同じ。)に移転した日から十四日以内に、法務省令で定める手続により、新住居地の市町村の長に対し、在留カードを提出した上、当該市町村の長を経由して、法務大臣に対し、その新住居地を届け出なければならない。
2 第十九条の七第二項の規定は、前項の規定による在留カードの提出があつた場合に準用する。
3 第一項に規定する中長期在留者が、在留カードを提出して住民基本台帳法第二十二条 、第二十三条又は第三十条の四十六の規定による届出をしたときは、当該届出は同項の規定による届出とみなす。
(住居地以外の記載事項の変更届出)
第十九条の十 中長期在留者は、第十九条の四第一項第一号に掲げる事項に変更を生じたときは、その変更を生じた日から十四日以内に、法務省令で定める手続により、法務大臣に対し、変更の届出をしなければならない。
2 法務大臣は、前項の届出があつた場合には、入国審査官に、当該中長期在留者に対し、新たな在留カードを交付させるものとする。
(所属機関等に関する届出)
第十九条の十六 中長期在留者であつて、次の各号に掲げる在留資格をもつて本邦に在留する者は、当該各号に掲げる在留資格の区分に応じ、当該各号に定める事由が生じたときは、当該事由が生じた日から十四日以内に、法務省令で定める手続により、法務大臣に対し、その旨及び法務省令で定める事項を届け出なければならない。
一 教授、高度専門職(別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号ハ又は第二号(同号ハに掲げる活動に従事する場合に限る。)に係るものに限る。)、経営・管理、法律・会計業務、医療、教育、企業内転勤、技能実習、留学又は研修 当該在留資格に応じてそれぞれ別表第一の下欄に掲げる活動を行う本邦の公私の機関の名称若しくは所在地の変更若しくはその消滅又は当該機関からの離脱若しくは移籍
二 高度専門職(別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号イ若しくはロ又は第二号(同号イ又はロに掲げる活動に従事する場合に限る。)に係るものに限る。)、研究、技術・人文知識・国際業務、興行(本邦の公私の機関との契約に基づいて当該在留資格に係る活動に従事する場合に限る。)又は技能 契約の相手方である本邦の公私の機関(高度専門職の在留資格(同表の高度専門職の項の下欄第一号イに係るものに限る。)にあつては、法務大臣が指定する本邦の公私の機関)の名称若しくは所在地の変更若しくはその消滅又は当該機関との契約の終了若しくは新たな契約の締結
三 家族滞在(配偶者として行う日常的な活動を行うことができる者に係るものに限る。)、日本人の配偶者等(日本人の配偶者の身分を有する者に係るものに限る。)又は永住者の配偶者等(永住者の在留資格をもつて在留する者又は特別永住者(以下「永住者等」という。)の配偶者の身分を有する者に係るものに限る。) 配偶者との離婚又は死別
第七十一条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第十九条の七第一項、第十九条の八第一項、第十九条の九第一項、第十九条の十第一項又は第十九条の十六の規定による届出に関し虚偽の届出をした者
二 第十九条の十一第一項、第十九条の十二第一項又は第十九条の十三第三項の規定に違反した者
第七十一条の三 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第十九条の七第一項又は第十九条の八第一項の規定に違反して住居地を届け出なかつた者
二 第十九条の九第一項の規定に違反して新住居地を届け出なかつた者
三 第十九条の十第一項、第十九条の十五(第四項を除く。)又は第十九条の十六の規定に違反した者
このように、入管法において罰則が定められており、忘れそうではありますが、絶対に忘れてはいけないものと思われます。ご自身が届出義務違反になっていないかご心配な方は専門の弁護士に相談されることをお勧めします。
在留期間更新、届出義務違反に関するご相談は、元行政書士で入管ビザ事件を多く取り扱っている弁護士永田洋子にご相談ください。
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