後遺障害(後遺症)第9級

ここでは、後遺障害9級についてご紹介いたします。自動車損害賠償保障法施行令の後遺障害等級及び労働能力喪失表では、以下の記載がされています。

 

第9級

1号 両眼の視力が〇・六以下になつたもの
2号 一眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
3号 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
4号 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
5号 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
6号 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
7号 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
8号 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
9号 一耳の聴力を全く失つたもの
10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
11号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
12号 一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失つたもの
13号 一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
14号 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの
15号 一足の足指の全部の用を廃したもの
16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの
17号 生殖器に著しい障害を残すもの

9級の自賠責保険金額は616万円であり、労働能力喪失率は35%とされています。

 

1号2号の視力は、万国式試視力表による矯正視力を指します。また、コンタクトレンズで矯正する場合も含まれます。

 3号の半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すものとは、V/4指標による8方向の視野の角度の合計が、正常視野の角度の60%以下になった場合とされています。

 6号の、咀嚼及び言語の機能に障害を残すものとは、咀嚼機能については、固形食物の中に咀嚼できないものがあること又は咀嚼が十分にできないものがあることが医学的に確認できる場合(不正咬合、そしゃく関与筋群の異常、顎関節の障害、閉口障害、歯牙損傷(補綴不能の場合))とされています。言語機能については、4種の語音のうち、1種の発音不能のものとされています。

 7号の程度は、両耳の純音聴力レベルが60dB以上のもの又は両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上であり、かつ、最高明瞭度が70%以下のものとされています。

 8号の程度は、1耳の平均純音聴力レベルが80dB以上であり、かつ、他耳の平均純音聴力レベルが50dB以上のもの、とされています。

 9号の全く失ったとは、1耳の平均純音聴力レベルが90dB以上のもの又は1耳の平均純音レベルが80dB以上であり、かつ、最高明瞭度が30%以下のものが該当するとされています。

 10号の、服することができる労務が相当な程度に制限されるものとは、脳損傷による、軽度の単麻痺、脊髄損傷による1下肢の軽度の単麻痺、の場合が挙げられています。高次脳機能障害の場合もありますが、ここでは割愛します。また、てんかんの場合は「数か月に1回以上の発作が転倒する発作等以外の発作であるもの又は服薬継続によりてんかん発作がほぼ完全に抑制されているもの」とされています。非器質性精神障害の場合の重度のものはこの等級と評価される場合があります。

 12号の手指を失ったものとは、母指の場合は指節間関節、その他の指の場合は、近位指節間関節以上を失ったもの、を指すとされ、a手指を中手骨又は基節骨で切断した場合、b近位指節間関節(母子の場合は、指節間関節)において、基節骨と中節骨とを離断した場合が該当します。

 13号の手指の用廃とは、a手指の未節骨の長さの2分の1以上を失ったもの、b中手指節関節又は近位指節間関節(母指の場合は指節間関節)の可動域が健側(障害のない側)の可動域の2分の1に制限されているものc母指の橈側外転又は掌側外転のいずれかが健側の2分の1以下に制限されているもの、d手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚が完全に脱失したもの、が該当するとされています。

14号の足指を失ったとは、中足指関節以上失ったものが該当するとされています。

15号の足指の全部の用廃とは、a第1足指の末節骨の長さの2分の1以上を失ったものb第1の足指以外の足指を中節骨若しくは基節骨を切断したもの又は遠位指節間関節若しくは近位指節間関節において離断したもの、c中足指節関節又は近位指節間関節(第1の足指にあっては指節間関節)の可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限されるもの、が該当します。

 

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