【在留特別許可の弁護士】在留特別許可の裁判例  福岡高判平 19・2・22

【事案の概要】
オーバーステイのナイジェリア国籍の男性Aが日本国籍の女性Bと比較的短期間の交際 の後婚姻したが、婚姻届が警察署に逮捕されるより前だった。入管は在留特別許可を与えず、一審の福岡地裁も男性の訴えを棄却した。
【高裁の判断】
福岡高裁は、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」とする憲法 24 条及び「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位であり、社会及び国による保護を受 ける権利を有する。」とする自由権規約 23 条を引用した上で、次のとおり判示して、 男性に在留特別許可を認めなかった国の判断は違法であるとした。
「日本国の国民が外国人と婚姻した場合には、国家においても当該外国人の在留状況、国内・国際事情等に照らし在留を認めるのを相当としない事情がない限り、 両名が夫婦として互いに同居、協力、扶助の義務を履行し円滑な関係を築くことが できるようにその在留関係についても相応の配慮をすべきことが要請されているものと考えられる。」 ②「これらの点(注:女性の精神状態からすれば無事渡航できるのか甚だ疑問であること、仮に渡航できたとしても言葉も文化も全く異なる異国の地で無事平穏に生活できるものではないことが明らかであること、オーバーステイで刑事事件となり 執行猶予付きではあるが有罪判決を受けた男性が帰国した場合、本邦への再上陸は事実上不可能であるとこと)に照らせば、Aがナイジェリアに帰国を強いられることは、婚姻関係の決定的な破綻を意味し、A 及びBにとって極めて著しい不利益であることは論をまたない。」 ③「Aが過去に強制退去を受けたことがないことはもとより、本邦に残留している間は、前記のとおり、真面目に就労し、生活をしていたものであり、不法残留の他に犯罪を行ったあるいはこれに準じる素行不良があったことを認めるに足りる証拠はなく、Aは本邦において概ね平穏に生活していたものということができるのであるから、不法残留の点を過大に評価するのは相当ではない。」 ④「以上の点を合わせ考慮すれば、福岡入管局長がした本件裁決は、Bと A の婚姻関係の実体についての評価において明白に合理性を欠くものであり、 また、前記のとおり、在留関係についても相当の配慮をすべきことが求められる両名の真摯な婚姻関係に保護を与えないものとなるのであって、社会通念に照らして 著しく妥当性を欠く」
【コメント】
地裁が「①婚姻関係が短期間である上、未だ同居生活を送るにいたっていないこと、②Aの在留状況が必ずしも良好と言いがたいこと ③Aがナイジェリアに帰国することがAと日本人配偶者Bにとって著しい不利益であるとは言いがたい」と評価して、入管の処分は裁量権の逸脱や濫用とならないと判断したのを覆すことができたのは、妻が、自殺未遂を繰り返すなど、二人の婚姻が真摯な愛情に満ちたものであること、夫婦の実態があること、もしAさんを退去強制すれば、妻であるBさんに重大な不利益を与えることを主張立証できたらからと考えられます。在留特別許可の適否を巡る裁判は、常識的に見て在留特別許可を認めないことは人道にもとるような事件でも、法務大臣の広範な裁量論が大きなハードルとなり、勝訴判決を得ることが簡単でないのが実情ではあります。
が、しかし、近年、日本人の配偶者であるのに在留特別許可を認められなかった事件で、画期的とも言える裁判が相次いで出されています。入管にいわれて、すぐに,ギブアップするのではなく、正しく主張すれば裁判所は正当に評価してくれます。諦めずに戦うことが肝心といえます。

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