公然わいせつ罪で警察に逮捕されてしまった場合、どのように対応したら良いでしょうか。まずは、公然わいせつ罪がどのようなものかご紹介いたします。公然わいせつ罪の条文は下記のとおりとなっています。
刑法
(公然わいせつ)
第174条 公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
ここでいう、公然とは、不特定または多数人が認識することのできる状態をいいます。また、わいせつな行為とは、その行為者またはその他の者の性欲を刺激興奮または満足させる動作であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいいます。
具体例としては、道路上で自己の陰茎を露出した場合、コンビニの駐車場棟で車の中で通行人が見えるように自慰行為や性行為をしたような場合、電車内で陰茎を露出した場合、電車内で性行為をしたような場合などがあります。
さて、公然わいせつ罪で警察に逮捕されてしまった場合、どのような弁護活動が効果的でしょうか。深夜路上で被害女性に自己の陰茎を露出したような事案を例にとって説明します。このような場合まず考えられるのは、被害女性と示談をすることになります。しかし、公然わいせつ罪は保護法益が社会的法益であり、法的にはその女性は被害者ではありません。目撃者または事実上の被害者ということになります。そうすると、その被害女性と示談をしたところで、効果には疑問が生じます。ここらへんは、担当検察官の考え方もありますので、弁護士を通じて担当検察官と交渉しながら進めると良いでしょう。私の感覚では、このような事案の場合、事実上の被害者である女性と示談を成立させれば処分に有利になると考えられます。
被害女性と示談できない場合、示談しても意味がない場合、どのような弁護活動があるでしょうか。このような保護法益を社会的法益としている犯罪の場合、社会に対して謝罪するという意味で、贖罪寄付という制度があります。贖罪寄付は様々な団体が寄付を受け入れていますが、団体によっては性犯罪の場合には受け取らない等の制約があったりしますので、私が利用する場合には弁護士会に対して贖罪寄付をすることをお勧めしています。弁護士会の贖罪寄付であれば受け入れ拒否はないですし、証明書を発行してくれるので、意見書等に添付する際も役立ちます。弁護活動としては、不起訴処分の意見書に贖罪寄付証明書を添付することになります。
ただし、贖罪寄付の効果を過大評価することは禁物です。贖罪寄付で確実に罪が軽くなるのであれば、金で買うという印象が免れないからです。贖罪寄付は他の事情、たとえば、真摯な反省態度、更生に向けた計画等とあいまって有利に判断されるものと考えられます。なので、贖罪寄付をすれば罪が軽くなると考えるのは安易な発想です。あくまでも情状の一つということになります。私であれば、贖罪寄付や他の更生に向けた計画や治療等もアドバイスすることが可能ですので、まずは弁護士に相談して方向性を決めるべきといえます。
公然わいせつは比較的罪が軽い犯罪ですので、勾留阻止に向けた活動をしっかりすれば、勾留されずに釈放される可能性もあります。できるだけ早く弁護士に相談するべきといえます。
なお、否認している場合でも、取調べ対応が非常に重要になりますので、できるだけ早く弁護士に依頼することをお勧めします。
中国人の刑事事件、逮捕、公然わいせつ、示談に関するご相談は、中国語の話せる弁護士永田洋子にご相談ください。
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