生活保護法1条は「生活に困窮するすべての国民に対し…必要な保護を行」うとして、その対象を日本国民に限っているかのように規定しています。外国人は、権利として生活保護の申請権を有していないというのが国の見解です。では実際の運用はどうであろうか。1954年の厚生省社会局長による運用通達では①外国人登録を行っており②要保護状態にある場合には、生活保護法の準用を認め、生活保護と同等の行政サービスが得られる運用となりました。しかし、1990年10月25日の厚生省の口頭指示により、このような行政サービスを受けられる外国人は①入管法別表第2記載の外国人(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)、②入管特例法の特別永住者、③入管法上の難民など、適法に日本に滞在し、活動に制限を受けない永住・定住等の在留資格を有するとされた者とされました。
入管法別表第1の5の特定活動で日本国内での活動に制限を受けない者等も生活保護の準用対象になる可能性があります。特に難民不認定で、在留特別許可で特定活動の在留資格を得た外国人は、生活に困窮することが多いので、粘り強く窓口で主張する必要があります。
また、各自治体の福祉課も、在留資格がない外国人に対して一律に生活保護の申請を受け付けていないわけではありません。たとえば、在留特別許可が得られる見込みが高い場合、在留資格の取得申請の準備をしている場合などは、柔軟な対応を運用をする自治体も各地にあります。
外国人に対する生活保護に関するご相談は、元行政書士で入管ビザ事件を多く取り扱っている弁護士永田洋子にご相談ください。
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