自賠責に対する請求には被害者請求と加害者請求があると以前にお話ししましたが、ここでは被害者本人が自賠責の窓口保険会社に対してする、被害者請求の手続を解説します。
自賠責に対して直接請求する被害者請求といっても通常はどのようにして良いのかわからないものです。そこで、まずは、交通事故証明書を取得しましょう。交通事故証明書は当該事故を処理してくれた管轄の警察署にいけば発行してくれます。そして、その交通事故証明書を見ると、相手方の欄に自賠責の窓口保険会社が記載されています。そこに電話をして、書式や説明書きが書いてあるパンフレットを送付してもらってください。あとは、そのパンフレットに記載のある通りに書類を集めて、その窓口保険会社に提出すれば被害者請求をしたことになります。
被害者請求では具体的には以下の書類を提出することになります。
・自動車損害賠償責任保険保険金支払請求書兼支払指図書
・診断書又は死亡検案書
・死亡事故の場合には戸籍謄本
・交通事故証明書
・事故発生状況報告書
・診療報酬明細書
・通院交通費明細書
・付添看護自認書または看護料領収書
・休業損害証明書
・請求者の印鑑証明書
・第三者に委任する場合には、委任状及び委任者の印鑑証明書
基本的には原本が必要になりますので、注意が必要です。相手保険会社等が既に集めている場合には、その写しをまとめてもらい、原本と相違なしの印を押してもらう等すると、書類の収集は簡単になります。しずれにしても、ご自身でやるにはやや煩雑なので、被害者請求手続は弁護士に依頼すると良いと思います。
傷害のみの場合には上記の書類で足りますが、後遺障害の等級認定も求める場合には、この被害者請求の手続を利用します。その際は、後遺障害診断書も添付して提出することになります。また、この時にはレントゲン画像やMRIの画像データの提出も求められることがほとんどですので、一緒に提出すると良いと思います。
後遺障害が認定された場合、等級に応じて自賠責での保険金の支払上限額が大きく変わります。傷害の場合は120万円ですが、後遺障害が認定されると、後遺障害14級の場合は75万円、後遺障害13級の場合は139万円、後遺障害12級の場合は224万円、後遺障害11級の場合は331万円、後遺障害10級の場合は461万円、後遺障害9級の場合は616万円、後遺障害8級の場合は819万円、後遺障害7級の場合には1051万円、後遺障害6級の場合は1296万円、後遺障害5級の場合は1574万円、後遺障害4級の場合は1889万円、後遺障害3級の場合は2219万円、後遺障害2級の場合は2590万円、後遺障害1級の場合は3000万円が上限として加算されます。そのため、後遺障害が認定されるか否かは非常に重要ですので、後遺障害の認定を求める際には、後遺障害の内容を精査し、医師に後遺障害診断書の作成をしてもらう段階から弁護士に助言をもらうのが良いと思います。というのも、医師は治療のプロですが、後遺障害認定のプロではないので、時々、認定のために重要な検査が漏れている場合があります。そうして、後遺障害診断書を作成してもらったうえで、弁護士の意見書を添付して、提出すると良いかと思います。
中国人の交通事故、自賠責請求、後遺障害認定、示談交渉は、中国語が話せる弁護士永田洋子にご相談ください。
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