中国人の刑事弁護(痴漢)

電車内で痴漢をしてしまった。駅のホームで痴漢をしてしまった。バス内で痴漢をしてしまった。痴漢で逮捕されてしまった。警察署に連れていかれてしまった。という場合にどうした良いか、ここではご説明させていただきます。

まずは、罪名を確認する必要があります。痴漢というといわゆる各県の迷惑防止条例違反の場合が多いですが、強制わいせつ罪になっている場合もあります。以下では東京の条例と強制わいせつ罪の条文をご紹介いたします。

 

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。

一 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。

二 公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。

三 前二号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。

(罰則)

第八条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

一 第二条の規定に違反した者

二 第五条第一項又は第二項の規定に違反した者(次項に該当する者を除く。)

三 第五条の二第一項の規定に違反した者

 

(強制わいせつ)

刑法176条

十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

(親告罪)

第180条

第百七十六条から第百七十八条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

 

簡単に説明すると、強制わいせつの方が、条例違反と比べて段違いに刑が重く、罰金がありません。条例違反の痴漢の場合、前科がなければ略式の罰金刑なあることが多いですが、強制わいせつの場合は、公判請求されて懲役刑を受けることになります。

 ただし、強制わいせつの場合、刑法180条で親告罪とされているため、被害者と示談し告訴を取り消して貰えば、不起訴になることができます。条例違反の場合には、親告罪の規定がないので、示談すれば確実に不起訴になるとはいえませんが、前科等がない場合で示談をすれば不起訴になることが多いと思われます。

 痴漢で逮捕された場合、検察官、裁判官に意見書を提出する等、しっかり活動をすれば釈放される可能性は高くなります。釈放の問題もそうですが、上記のように被害者と示談した場合、不起訴になり、前科が付かなくなる可能性があります。被害者の連絡先は弁護士が警察や検察官に聞くことになり、弁護士を通さないと示談はできないのが現状です。

 示談するというと、加害者の独りよがりというイメージがありますが、被害者からしても謝罪と適正な賠償を受けることができますので、被害者保護になります。当然被害者が嫌がっている場合には弁護士も会うことはできませんが、賠償を受ける機会を提供するということが被害者保護につながると思います。

 痴漢を疑われて、否認している場合でも、取調べ対応が非常に重要になりますので、できるだけ早く弁護士に依頼することをお勧めします。

 

中国人の刑事事件、逮捕、痴漢、示談に関するご相談は、中国語の話せる弁護士永田洋子にご相談ください。

電話番号0800-700-2323

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