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逸失利益の算定についての具体的な適用例(事業所得者)

2017-04-20

いわゆる三庁共同提言において紹介されている、逸失利益の算定についての具体的な適用例をご紹介致します。ここでは、有職者で事業所得者の事例をご紹介いたします。

 

2 事業所得者の場合

⑥事 故 日 平成9年1月

 被 害 者 高校中退後色々な職業を経た後、40歳ころから個人で貨物運送業を営んでいた47歳の男性

 事故前収入 年々売上を伸ばし年収900万円(事故前2年間の申告所得額の平均)

 労働能力喪失率 79%(傷害)

 【逸失利益の算定】

 年齢、職業、実績からみて原則どおり基礎収入を実収入額とし、これに、労働能力喪失率の79%、及び、47歳から67歳までの20年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である12.4622を乗じて算定する。

 (計算式)

 900万円×0.79×12.4622=8860万6242円

 

⑦ 事 故 日 平成9年6月

  被 害 者 高校卒業後工務店に勤務して大工の修業をし、25歳の時に独立した27歳の大工(男子)

  事故前収入 年収350万円

  労働能力喪失率 20%(傷害)

 【逸失利益の算定】

 事故前の実収入額が、平成9年の男子の25歳ないし29歳の平均賃金である430万4900円と比較して低いが、独立してまだ2年であること、大工という自営業であっても経験年数につれて収入の増加が見込まれることからみて、生涯を通じて男子の全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから、基礎収入を平成9年の男子の全年齢平均賃金である575万0800円とし、これに、労働能力喪失率の20%、及び、25歳から67歳までの42年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.4232を乗じて算定する。

 (計算式)

 575万0800円×0.2×17.4232=2003万9467円

 

⑧事 故 日 平成9年10月

 被 害 者 大学医学部卒業後、医師の国家試験を受験していて、平成9年に試験に合格するまで5年間は家庭教師のアルバイトによる収入しかなかった29歳の妻帯男子(子供なし)

 事故前収入 年収72万円(家庭教師のアルバイト)

 労働能力喪失率 100%(死亡)

【逸失利益の算定】

 事故前の実収入額は極めて少ないが、医師の国家試験に合格していたことからすれば、事故の翌年から医師として稼働することが確実であるから、事故後医師免許を取得するまでの期間を半年として、その間はアルバイトによる収入を、その後30歳から67歳までは職種別(医師)の平成9年の男子の全年齢平均年収である1199万0100円を基礎収入とし、生活費控除率を40%として、それぞれに該当するライプニッツ係数を乗じて算定する。なお、ライプニッツ係数を乗じるにつき、最初の半年間は、これに対応する0.4819を、その後の37年間は、労働能力喪失期間全体の37.5年のライプニッツ係数16.7905から最初の半年のライプニッツ係数0.4819を差し引いた16.3086を乗じる。

(計算式)

72万円×(1-0.4)×0.4819+1199万0100円×(1-0.4)×(16.7905-0.4819)=1億1753万3226円

 

⑨事 故 日 平成9年1月

 被 害 者 高校卒業後すぐにプロ野球の投手となり一軍で活躍している28歳の男子

 事故前収入 プロ入り後に年々上昇し、事故前年は年収6000万円(申告所得額)

 労働能力喪失率 20%(傷害)

【逸失利益の算定】

 プロ野球選手のような特殊な職業の場合、一般的には20%の労働能力喪失であってもその部位によっては選手生命を失うこともあり、その労働能力喪失率や期間等の認定はある程度個別性を重視せざるを得ないが、ここでは、この点を含めて20%と判断できるものとして算定する。6000万円という高収入は、プロ野球選手だから得られるところ、少なくとも30歳代前半まではプロ野球の投手として活躍できるものと考えられるから、28歳から32歳までの5年間は年収6000万円を基礎収入とし、その後はプロ野球選手を引退することを前提として何か統計的な数字があればともかく、そうでなければ、全年齢平均賃金を基礎収入として67歳までの逸失利益を算定する。なお。ライプニッツ係数を乗じるにつき、引退後の33歳から67歳までの34年間は、労働能力喪失期間全体の39年のライプニッツ係数から17.0170から最初の5年のライプニッツ係数4.3294を差し引いた12.6876を乗じる。

 (計算式)

 6000万円×0.2×4.3294×575万0800円×0.2×(17.0170-4.3294)=6654万5570円

 

⑩事 故 日 平成9年5月

 被 害 者 大学芸術学部卒業後フリーのカメラマンとして収入を得ている24歳の女子

 事故前収入 年収300万円(申告所得額)

 労働能力喪失率 27%(傷害)

【逸失利益の算定】

 事故前の実収入額は、平成9年の大卒女子の20歳ないし24歳の平均賃金である300万6400円とほぼ等しく、生涯を通じて大卒女子の全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから、基礎収入を平成9年の大卒女子の全年齢平均賃金である448万6700円とし、これに、労働能力喪失率の27%、及び、24歳から67歳までの43年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.5459を乗じて算定する。

(計算式)

 448万6700円×0.27×17.5459=2125万5261円

 

⑪事 故 日 平成9年4月

 被 害 者 高校卒業後の20歳のころから水商売関係の仕事を始め、28歳で自分のスナックを開店して、従業員はパート1名を使い、ほとんど一人で営業して2年になる30歳の独身の女性

 事故前収入 年収840万円(申告所得額)

 労働能力喪失率 35%(傷害)

【逸失利益の算定】

 スナック経営が相当浮き沈みの激しい職種であり、また、開店してまだ2年という実績や本人の年齢等からみて、今後10年程度はスナック経営により現在と同程度の収入をあげることができる蓋然性があるものと認定し、その後の27年間(40歳以降67歳まで)はそのような蓋然性を認めるのは困難である。しかし、他面において、40歳ころには職業に就いて少なくとも平成9年の女子の全年齢平均賃金である340万2100円程度の収入を得られる蓋然性は認められるから、これに、労働能力喪失率の35%、及び、それぞれの期間に対応するライプニッツ係数を乗じて算定する。なお、ライプニッツ係数を乗じるにつき、40歳以降の27年間は、労働能力喪失期間全体の37年のライプニッツ係数16.7112から最初の10年のライプニッツ係数7.7217を差し引いた8.9895を乗じる。

 (計算式)

 840万円×0.35×7.7217+340万2100円×0.35×(16.7112-7.7217)=3340万5910円

 

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介護を要する後遺障害(後遺症)第1級、第2級

2017-04-19

ここでは、介護を要する後遺障害についてご紹介いたします。自動車損害賠償保障法施行令の別表では、第1級と第2級が記載されています。

 

別表第1  介護を要する後遺障害

第1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

第1級2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

1級は自賠責保険金額は4000万円であり、労働能力喪失率は100%とされています。

第2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

第2級2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

2級は保険金額が3000万円であり、労働能力喪失率は100%とされています。

 

ここでいう、常に介護を要するとは、生命維持に必要な身の回りの処理の動作について、常に他人の介護を要する状態とされています。高次脳機能障害の場合は、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要する場合、つまり要常時介護状態のほか、「高度の認知症や情意の荒廃があるため、常時監視を要する」場合も挙げられています。また、脳損傷や脊髄損傷による麻痺がある場合には、①高度の四肢麻痺、②中等度の四肢麻痺で要常時介護状態の場合、③脳損傷による高度の片麻痺で、要常時介護状態の場合、④脊髄損傷による高度の対麻痺、⑤脊髄損傷による中等度の対麻痺で、要常時介護状態の場合が示されています。胸腹部臓器の障害の場合は、臓器の障害態様ごとに詳細な基準があります。

 2号の随時介護を要するとは、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時介護を要するものを指すが、高次脳機能障害の場合には、食事、入浴、用便、更衣等に随時介護を要する場合、つまり要随時介護状態のほか、認知症、情意の障害、幻覚、妄想、頻回の発作性意識障害等のため随時他人による監視を必要とする場合や、自宅内の日常生活動作は一応できるが、1人で外出することなどが困難で、外出の際は他人の介護を必要とする場合が挙げられています。麻痺の場合は、脳損傷による、①高度の片麻痺、②中等度の四肢麻痺で要随時介護状態の場合、脊髄損傷によるa中等度の四肢麻痺、b軽度の四肢麻痺で要随時介護状態の場合、c中等度の対麻痺で要随時介護状態の場合が挙げられます。胸腹部臓器の障害の場合は、臓器の障害態様ごとに詳細な基準があります。

 

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逸失利益の算定についての具体的な適用例(給与所得者)

2017-04-19

いわゆる三庁共同提言において紹介されている、逸失利益の算定についての具体的な適用例をご紹介致します。ここでは、有職者で給与所得者の事例をご紹介いたします。

 

第1 有職者

 1 給与所得者

 ①事 故 日 平成8年5月

  被 害 者 普通科を卒業して中堅ゼネコンに就職して事務職15年目の33歳独身の男子従業員

  事故前収入 年収495万円

  労働能力喪失率 100%(死亡)

 【逸失利益の算定】

  年齢が33歳であり、稼働歴も15年と長く、その他職種等からみて、原則どおり基礎収入を実収入額とし、生活費控除率50%、33歳から67歳までの34年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である16.1929を乗じて算定する。

  (計算式)

  495万円×(1-0.5)×16.1929=4007万7427円

 

 ②事 故 日 平成9年3月

  被 害 者 大学を卒業して中堅信用金庫に就職して2年目の24歳の男子従業員

  事故前収入 年収290万円

  労働能力喪失率 35%(傷害)

 【逸失利益の算定】

  事故前の実収入額は、平成9年大卒男子の20歳ないし24歳の平均賃金である322万8800円とそれほどの差異はなく、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから、基礎収入を平成9年の大卒男子の全年齢平均賃金である687万7400円とし、これに、労働能力喪失率の35%、及び、24歳から67歳までの43年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.5459を乗じて算定する。

  (計算式)

  687万7400円×0.35×17.5459=4223万4560円

 

③事 故 日 平成9年3月

 被 害 者 工業高校を卒業して大手電機会社の工場で現業に就いて10年目の28歳男子従業員

 事故前収入 年数400万円

 労働能力喪失率 20%(傷害)

【逸失利益の算定】

 事故前の実収入額は、平成9年の男子の25歳ないし29歳の平均賃金である430万4900円とそれほどの差異はなく、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから、基礎収入を平成9年の男子の全年齢平均賃金である575万0800円とし、これに、労働能力喪失率の20%、及び、28歳から67歳までの39年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.0170を乗じて算定する。

 (計算式)

 575万0800円×0.2×17.0170=1957万2272円

 

 ④事 故 日 平成9年1月

  被 害 者 中学校を卒業直後から飲食店(和食)で板前の修業にはいり、現在の店は2軒目で5年目の23歳の男子従業員

  事故前収入 年収180万円

  労働能力喪失率 45%(傷害)

 【逸失利益の算定】

 事故前の実収入額は、平成9年の中卒男子の20歳ないし24歳の平均賃金である327万9700円と比較して45%以上も低いが、板前という職業柄、見習い期間中の収入は少ないとしても一人前になれば相当の収入が得られるであろうこと、及び、本人が中卒後一貫して板前を目指して修業し、一定の店でそれなりの期間勤めていることから、将来一人前の板前になる蓋然性が認められ、生涯を通じて考えた場合、少なくとも中卒男子の全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから、基礎収入を平成9年お中卒男子の全年齢平均賃金である510万1700円とし、これに、労働能力喪失率の45%、及び23歳から67歳までの44年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.6627を乗じて算定する。

 (計算式)

 510万1700円×0.45×17.6627=4054万9408円

 

 ⑤事 故 日 平成9年1月

  被 害 者 高校を卒業して中堅機械製作所に事務員として勤務して2年目(途中転職あり)の27歳女子従業員

  事故前収入 年収240万円

  労働能力喪失率 27%(傷害)

  【逸失利益の算定】

  事故前の実収入額は、平成9年の女子の25歳ないし29歳の平均賃金である347万0800円と比較するとかなり低額であるが、勤務して2年目であること、主婦の逸失利益との均衡等を考慮すると、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められることから、基礎収入を平成9年の女子の全年齢平均賃金である340万2100円とし、これに、労働能力喪失率の27%、及び、27歳から67歳までの40年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.1590を乗じて算定する。

  (計算式)

  340万2100円×0.27×17.1590=1576万1691円

 

中国人の交通事故、後遺障害認定、慰謝料増額、示談交渉、自賠責請求に関するご相談は、中国語の話せる弁護士永田洋子にご相談ください。

電話番号は0800-700-2323(フリーコール)

いわゆる三庁共同提言において紹介されている、逸失利益の算定についての具体的な適用例をご紹介致します。ここでは、有職者で給与所得者の事例をご紹介いたします。

 

第1 有職者

 1 給与所得者

 ①事 故 日 平成8年5月

  被 害 者 普通科を卒業して中堅ゼネコンに就職して事務職15年目の33歳独身の男子従業員

  事故前収入 年収495万円

  労働能力喪失率 100%(死亡)

 【逸失利益の算定】

  年齢が33歳であり、稼働歴も15年と長く、その他職種等からみて、原則どおり基礎収入を実収入額とし、生活費控除率50%、33歳から67歳までの34年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である16.1929を乗じて算定する。

  (計算式)

  495万円×(1-0.5)×16.1929=4007万7427円

 

 ②事 故 日 平成9年3月

  被 害 者 大学を卒業して中堅信用金庫に就職して2年目の24歳の男子従業員

  事故前収入 年収290万円

  労働能力喪失率 35%(傷害)

 【逸失利益の算定】

  事故前の実収入額は、平成9年大卒男子の20歳ないし24歳の平均賃金である322万8800円とそれほどの差異はなく、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから、基礎収入を平成9年の大卒男子の全年齢平均賃金である687万7400円とし、これに、労働能力喪失率の35%、及び、24歳から67歳までの43年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.5459を乗じて算定する。

  (計算式)

  687万7400円×0.35×17.5459=4223万4560円

 

③事 故 日 平成9年3月

 被 害 者 工業高校を卒業して大手電機会社の工場で現業に就いて10年目の28歳男子従業員

 事故前収入 年数400万円

 労働能力喪失率 20%(傷害)

【逸失利益の算定】

 事故前の実収入額は、平成9年の男子の25歳ないし29歳の平均賃金である430万4900円とそれほどの差異はなく、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから、基礎収入を平成9年の男子の全年齢平均賃金である575万0800円とし、これに、労働能力喪失率の20%、及び、28歳から67歳までの39年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.0170を乗じて算定する。

 (計算式)

 575万0800円×0.2×17.0170=1957万2272円

 

 ④事 故 日 平成9年1月

  被 害 者 中学校を卒業直後から飲食店(和食)で板前の修業にはいり、現在の店は2軒目で5年目の23歳の男子従業員

  事故前収入 年収180万円

  労働能力喪失率 45%(傷害)

 【逸失利益の算定】

 事故前の実収入額は、平成9年の中卒男子の20歳ないし24歳の平均賃金である327万9700円と比較して45%以上も低いが、板前という職業柄、見習い期間中の収入は少ないとしても一人前になれば相当の収入が得られるであろうこと、及び、本人が中卒後一貫して板前を目指して修業し、一定の店でそれなりの期間勤めていることから、将来一人前の板前になる蓋然性が認められ、生涯を通じて考えた場合、少なくとも中卒男子の全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから、基礎収入を平成9年お中卒男子の全年齢平均賃金である510万1700円とし、これに、労働能力喪失率の45%、及び23歳から67歳までの44年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.6627を乗じて算定する。

 (計算式)

 510万1700円×0.45×17.6627=4054万9408円

 

 ⑤事 故 日 平成9年1月

  被 害 者 高校を卒業して中堅機械製作所に事務員として勤務して2年目(途中転職あり)の27歳女子従業員

  事故前収入 年収240万円

  労働能力喪失率 27%(傷害)

  【逸失利益の算定】

  事故前の実収入額は、平成9年の女子の25歳ないし29歳の平均賃金である347万0800円と比較するとかなり低額であるが、勤務して2年目であること、主婦の逸失利益との均衡等を考慮すると、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められることから、基礎収入を平成9年の女子の全年齢平均賃金である340万2100円とし、これに、労働能力喪失率の27%、及び、27歳から67歳までの40年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.1590を乗じて算定する。

  (計算式)

  340万2100円×0.27×17.1590=1576万1691円

 

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後遺障害等級一覧(後遺症)

2017-04-18

自動車損害賠償保障法施行令において、後遺障害等級及び労働能力喪失表が定められていますので、ご紹介いたします。

 

別表第1  介護を要する後遺障害

第1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

第1級2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

1級は自賠責保険金額は4000万円であり、労働能力喪失率は100%とされています。

第2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

第2級2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

2級は保険金額が3000万円であり、労働能力喪失率は100%とされています。

 

別表第2  後遺障害

第1級

1号 両眼が失明したもの
2号 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
3号 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
4号 両上肢の用を全廃したもの
5号 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
6号 両下肢の用を全廃したもの

1級は自賠責保険金額は3000万円であり、労働能力喪失率は100%とされています。

第2級

1号 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
2号 両眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
3号 両上肢を手関節以上で失つたもの
4号 両下肢を足関節以上で失つたもの

2級は自賠責保険金額は2590万円であり、労働能力喪失率は100%とされています。

第3級

1号 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
2号 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
4号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5号 両手の手指の全部を失つたもの

3級の自賠責保険金額は2219万円であり、労働能力喪失率は100%とされています。

第4級

1号 両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
2号 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
3号 両耳の聴力を全く失つたもの
4号 一上肢をひじ関節以上で失つたもの
5号 一下肢をひざ関節以上で失つたもの
6号 両手の手指の全部の用を廃したもの
7号 両足をリスフラン関節以上で失つたもの

4級の自賠責保険金額は1889万円であり、労働能力喪失率は92%とされています。

第5級

1号 一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの
2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
3号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
4号 一上肢を手関節以上で失つたもの
5号 一下肢を足関節以上で失つたもの
6号 一上肢の用を全廃したもの
7号 一下肢の用を全廃したもの
8号 両足の足指の全部を失つたもの

5級は自賠責保険金額は1574万円であり、労働能力喪失率は79%とされています。

第6級

1号 両眼の視力が〇・一以下になつたもの
2号 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
3号 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
4号 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
5号 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
6号 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
7号 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
8号 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指を失つたもの

6級の自賠責保険金額は1296万円であり、労働能力喪失率は67%とされています。

第7級

1号 一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの
2号 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
3号 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
5号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
6号 一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失つたもの
7号 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
8号 一足をリスフラン関節以上で失つたもの
9号 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
10号 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
11号 両足の足指の全部の用を廃したもの
12号 外貌に著しい醜状を残すもの
13号 両側の睾丸を失つたもの

7級の自賠責保険金額は1051万円であり、労働能力喪失率は56%とされています。

第8級

1号 一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
2号 脊柱に運動障害を残すもの
3号 一手のおや指を含み二の手指を失つたもの又はおや指以外の三の手指を失つたもの
4号 一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの
5号 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
6号 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
7号 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
8号 一上肢に偽関節を残すもの
9号 一下肢に偽関節を残すもの
10号 一足の足指の全部を失つたもの

8級の自賠責保険金額は819万円であり、労働能力喪失率は45%とされています。

第9級

1号 両眼の視力が〇・六以下になつたもの
2号 一眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
3号 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
4号 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
5号 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
6号 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
7号 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
8号 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
9号 一耳の聴力を全く失つたもの
10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
11号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
12号 一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失つたもの
13号 一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
14号 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの
15号 一足の足指の全部の用を廃したもの
16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの
17号 生殖器に著しい障害を残すもの

9級の自賠責保険金額は616万円であり、労働能力喪失率は35%とされています。

第10級

1号 一眼の視力が〇・一以下になつたもの
2号 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
3号 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
4号 十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5号 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
6号 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
7号 一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
8号 一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
9号 一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの
10号 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
11号 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの

10級の自賠責保険金額は461万円であり、労働能力喪失率27%とされています。

第11級

1号 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2号 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3号 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
4号 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5号 両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
6号 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
7号 脊柱に変形を残すもの
8号 一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの
9号 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
10号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの

11級の自賠責保険金額は331万円であり、労働能力喪失率は20%とされています。

第12級

1号 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2号 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3号 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
4号 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
5号 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
6号 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
7号 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
8号 長管骨に変形を残すもの
9号 一手のこ指を失つたもの
10号 一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
11号 一足の第二の足指を失つたもの、第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの
12号 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
14号 外貌に醜状を残すもの

12級の自賠責保険金額は224万円であり、労働能力喪失率は14%とされています。

第13級

1号 一眼の視力が〇・六以下になつたもの
2号 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
3号 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
4号 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
5号 五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
6号 一手のこ指の用を廃したもの
7号 一手のおや指の指骨の一部を失つたもの
8号 一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
9号 一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの
10号 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
11号 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの

13級の自賠責保険金額は139万円であり、労働能力喪失率は9%とされています。

第14級

1号 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
2号 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
3号 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
4号 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
5号 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
6号 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
7号 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの
8号 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
9号 局部に神経症状を残すもの

14級の自賠責保険金額は75万円であり、労働能力喪失率は5%とされています。

備考
一 視力の測定は、万国式試視力表による。屈折異状のあるものについては、矯正視力について測定する。
二 手指を失つたものとは、おや指は指節間関節、その他の手指は近位指節間関節以上を失つたものをいう。
三 手指の用を廃したものとは、手指の末節骨の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは近位指節間関節(おや指にあつては、指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
四 足指を失つたものとは、その全部を失つたものをいう。
五 足指の用を廃したものとは、第一の足指は末節骨の半分以上、その他の足指は遠位指節間関節以上を失つたもの又は中足指節関節若しくは近位指節間関節(第一の足指にあつては、指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
六 各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であつて、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害とする。

 

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交通事故による逸失利益の算定方式についての共同提言

2017-04-18

「三庁共同提言」とは、東京・大阪・名古屋地方裁判所が合同で出した「交通事故による逸失利益の算定方法についての共同提言」(判例タイムズ1014号62頁)のことです。この共同提言は、逸失利益の算定において重要な基礎収入の認定や中間利息の控除方法について地域間格差の解消の必要性から出されたものです。以下では、この共同提言についてご紹介いたします。適用事例については、また別途ご紹介いたします。

 

第1 共同提言の趣旨及び内容  1 従来の逸失利益の算定方式    交通事故による人身損害賠償額の算定基準については、大量の交通事故による損害賠償請求事件の適正かつ迅速な解決の要請などから、全国の裁判所において、いわゆる損害の定額化及び定型化が提唱かつ推進され、実務においてこれが定着し、一応の成果を見てきた。    ところで、人身損害賠償額のうちの逸失利益の算定方式において最も重要な要素は、基礎収入の認定及び中間利息の控除方法である。従来、例えば幼児、生徒、学生等の若年者の逸失利益の算定において、東京地方裁判所民事第27部は、原則として賃金センサス第1巻第1表の産業計・企業規模計・学歴計・男子又は女子の労働者の全年齢平均賃金(以下「全年齢平均賃金」という。)とライプニッツ係数の組合せによるいわゆる東京方式を採用し、また、大阪地方裁判所第15民事部及び名古屋地方裁判所民事第3部は、原則として賃金センサス第1巻第1表の産業計・企業規模計・学歴計・男子又は女子の労働者の18歳ないし19歳等の平均賃金(初任給固定賃金)とホフマン係数の組合せによるいわゆる大阪方式を採用してきた。  2 地域間格差の早急な解決の必要性    このように、逸失利益の算定方式において最も重要な要素をなす基礎収入の認定及び中間利息の控除方法について、東京方式と大阪方式のいずれの算定方式を採用するかによって、特に幼児、生徒、学生等の若年者の逸失利益の算定額に大きな差異が生じる結果となっており、最近ではこれが社会問題化して、放置することができない状況となっている。    各地方裁判所において採用されている逸失利益の算定方式には、それぞれ相当の根拠と長年にわたる実務の積重ねがあり、一概にそのいずれが相当であると断じることは困難である。しかしながら、大量の交通事故による損害賠償請求事件の適正かつ迅速な解決の要請、被害者相互間の公平及び損害額の予測可能性による紛争の予防などの観点に照らせば、前期の算定方式の差異から生じる地域間格差の問題を早急に解決することが求められているものといわざるを得ない。  3 交通事件を専門的に扱う3箇部による共同提言の合意    そこで、全国の地方裁判所のうち、交通事故による損害賠償請求訴訟を専門的に取扱う部である東京地方裁判所第27部、大阪地方裁判所第15民事部及び名古屋地方裁判所民事第3部は、前記の問題についてより良い方式が何であるかについて検討を重ねた結果、取りあえず、逸失利益の算定方式において最も重要な要素をなす基礎収入の認定及び中間利息の控除方法については、後記の共同提言の内容が合理的であるとの結論に達したので、可能な限り同一の方式を採用する方向で合意し、今後はこの方式に基づいて基本的に同じ運用が行われる見通しとなったので、これを発表することとしたものである。  共同提言の内容である逸失利益の算定方式は、弁護士会その他各方面からの意見も承った上で、その問題の解決を図ることが望ましいところではある。しかしながら、問題の早期解決の必要性とその実行の緊急性にかんがみれば、逸失利益の算定方式において最も重要な要素をなす基礎収入の認定及び中間利益の控除方法について、取り急ぎ前記の3箇部において、その検討の結果を実行に移した上で、更なる検討課題が発生すれば、その時点で各方面からの意見を承るなどして、検討を加えていきたいと考えている。  なお、人身損害賠償額の算定においては、前記の地域間格差の問題のみならず、男女間格差の問題なども存在する。しかし、これらの問題については、是正の必要性及びその可否について多くの検討すべき要素があり、直ちに解決することは困難であり、現時点において早急に結論を出すことは必ずしも相当ではないと考えられるので、更に検討を重ね、徐々にその問題の解消に努めていくこととしたい。  4 共同提言の骨子   A 交通事故による逸失利益の算定において、原則として、幼児、生徒、学生の場合、専業主婦の場合、及び、比較的若年の被害者で生涯を通じて全年齢平均賃金又は学歴平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められる場合については、基礎収入を全年齢平均賃金又は学歴別平均賃金によることとし、それ以外の者の場合については、事故前の実収入額によることとする。   B 交通事故による逸失利益の算定における中間利息の控除方法については、特段の事情のない限り、年5分の割合によるライプニッツ方式を採用する。   C 上記のA及びBによる運用は、特段の事情のない限り、交通事故の発生時点や提訴時点の前後を問わず、平成12年1月1日以降に口頭弁論を終結した事件ついて、同日から実施する。  5 共同提言の運用    なお、この共同提言の内容が、各裁判官の個々の事件における判断内容を拘束するものではないことは当然のことである。 第2 共同提言の骨子についての補足説明  1 基礎収入の認定の運用指針  (一) 交通事故による逸失利益の算定において、(1) 原則として、(ア)幼児、生徒、学生の場合、(イ)専業主婦の場合、及び、(ウ)比較的若年の被害者で生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められる場合については、基礎収入を全年齢平均賃金又は学歴別平均賃金(賃金センサス第1巻第1表の産業計・企業規模計・学歴別・男子又は女子の労働者の全年齢平均賃金)によることとし、(2) それ以外の者の場合については、事故前の実収入額によることとする。  (二) 上記の(1)(ウ)の場合において全年齢平均賃金又は学歴別平均賃金を採用する際には、その判断要素として、以下の諸点を考慮する。 (1) 事故前の実収入額が全年齢平均賃金よりも低額であること。 (2) 比較的若年であることを原則とし、おおむね30歳未満であること。 (3) 現在の職業、事故前の職歴と稼動状況、実収入額と年齢別平均賃金(賃金センサス第1巻第1表の産業計・企業規模計・学歴計・男子又は女子の労働者の年齢別平均賃金)又は学歴別かつ年齢別平均賃金との乖離の程度及びその乖離の原因などを総合的に考慮して、将来的に生涯を通じて全年齢平均賃金又は学歴別平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められること。  (三) なお、全年齢平均賃金又は学歴別平均賃金を採用するについては、原則として、死亡の場合には死亡した年の全年齢平均賃金又は学歴別平均賃金を採用し、後遺障害の場合には症状が固定した年の全年齢平均賃金又は学歴別平均賃金を採用する。  (四) 以下の具体的な場合において、採用すべき基礎収入につき検討する。   (1) 有職者    (ア)給与所得者の場合・・・原則として事故前の実収入額による(後記の適用例参照)。ただし、就業期間が比較的短期であり、かつ、事故前の実収入額が年齢別平均賃金より相当に低額であっても、おおむね30歳未満の者については、前記(二)の判断要素を総合的に考慮して、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められる場合には、全年齢平均賃金による(後記の適用例③、⑤参照。なお、適用例②も参照)。なお、実収入額と年齢別平均賃金との乖離の程度が大きく、生涯を通じて全年齢平均賃金又は学歴別平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められないような場合には、年齢別平均賃金又は学歴別平均賃金の採用等も考慮する(後記の適用例④参照)。    (イ)事業所得者の場合・・・原則として申告所得額による(後記の適用例⑥、⑨参照)。ただし、事故前の申告所得額が年齢別平均賃金よりも相当に低額であっても、おおむね30歳未満の者については。前記(二)の判断要素を総合的に考慮して、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められる場合には、全年齢平均賃金による(後記の適用例⑦参照)。なお、適用例⑧ないし⑪も参照)。なお、実収入額と年齢別平均賃金との乖離の程度が大きく、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められないような場合には、年齢別平均賃金又は学歴別平均賃金の採用等も考慮する。   (2) 家事従事者    (ア)専業主婦の場合・・・原則として全年齢平均賃金による(後記の適用例⑫参照)。ただし、年齢、家族構成、身体状況及び家事労働の内容などに照らし、生涯を通じて全年齢平均賃金に相当する労働を行い得る蓋然性が認められない特段の事情が存在する場合には、年齢別平均賃金を参照して適宜減額する(後記の適用例⑬、⑭参照)。    (イ)有職の主婦の場合・・・実収入額が全年齢平均を上回っているときは実収入額によるが(後記の適用例⑮参照)、下回っているときは上記(ア)に従って処理する(後記の適用例⑯参照)。   (3) 無職者    (ア)幼児、生徒、学生の場合・・・原則として全年齢平均賃金による(後記の適用例⑰ないし⑲参照)。ただし、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められない特段の事情が存在する場合には、年齢別平均賃金又は学歴別平均賃金の採用等も考慮する。また、大学生及びこれに準ずるような場合には、学暦別平均賃金の採用も考慮する。    (イ)その他の者の場合・・・就労の蓋然性があれば、原則として、年齢別平均賃金による(後記の適用例⑳参照)。   (4)失業者    再就職の蓋然性のある場合に逸失利益の算定が可能となり、基礎収入は、再就職によって得ることができると認められる収入額による(後記の適用例(21)参照)。その認定に当たっては、以下の諸点に留意し、失業前の実収入額や全年齢平均賃金又は被害者の年齢に対応する年齢別平均賃金などを参考とする。    すなわち、おおむね30歳未満の者の場合については、再就職によって得られる予定の収入額又は失業前の実収入額が、年齢別平均賃金より相当に低額であっても、前記(二)の判断要素を総合的に考慮して、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められる場合には、全年齢平均賃金による(なお,後記の適用例(22)参照)。ただし、上記の予定収入額又は実収入額と年齢別平均賃金との乖離の程度が大きく、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められないような場合には、年齢別平均賃金又は学歴別平均賃金の採用等も考慮する(後記の適用例(23)参照)。  2 ライプニッツ方式の採用  (一) 交通事故による逸失利益の算定における中間利息の控除方法については、特段の事情のない限り、年5分の割合によるライプニッツ方式を採用する。  (二) この点、逸失利益の算定における中間利息の控除方法としては、ライプニッツ方式とホフマン方式があるが、ライプニッツ方式によっても(最高裁昭和50年(オ)第656号同53年10月20日第2小法廷判決・民集32巻7号1500頁、最高裁昭和56年(オ)第498号同56年10月8日第1小法廷判決・裁判集民事134号39頁参照)、また、ホフマン方式によっても(最高裁平成元年(オ)第1479号同2年3月23日第2小法廷判決・裁判集民事159号317頁参照)、いずれも不合理とはいえないものとされている。  (三) 逸失利益の算定において、適正かつ妥当な損害額を求めるためには、基礎収入の認定方法と中間利息の控除方法とを、具体的妥当性をもって整合的に関連させることが必要である。     ところで、ライプニッツ方式とホフマン方式との間で係数に顕著な差異が生じるのは、中間利息の控除期間が長期間にわたる場合であるが、その典型例というべき幼児、生徒、学生等の若年者の場合には、基礎収入の認定につき、初任給固定賃金ではなく比較的高額の全年齢平均賃金を広く用いることとしていることとの均衡、及び、ホフマン方式(年別・単利・利率年5分)の場合には、就労可能年数が36年以上になるときは、賠償金元本から生じる年5分の利息額が年間の逸失利益額を超えてしまうという不合理な結果となるのに対し、ライプニッツ方式(年別・複利・利率年5分)の場合には、そのような結果が生じないことなどを考慮すると、中間利息の控除方法としては、ライプニッツ方式を採用することが相当であると考えられる。  (四) なお、中間利息の控除方法としてライプニッツ方式を採用する場合に、用いるべき中間利息の利率を一般に採用されている年5分とするか、実質金利ないし公定歩合を考慮した利率とするかという問題がある。     確かに、最近の金利状況に照らせば、定期預金等による資金運用によっても年5分の割合による複利の利回りでの運用利益をあげることが困難な社会情勢にあることは否めないところではある。     しかしながら、他方で、損害賠償金元本に附帯する遅延損害金については民事法定利率が年5分とされていること(民法404条参照)、過去の経験に基づいて長期的に見れば年5分の利率は必ずしも不相当とはいえないと考えられること、個々の事案ごとに利率の認定作業をすることは、非常に困難であるのみならず、大量の交通事故による損害賠償請求事件の適正かつ迅速な処理の要請による損害の定額化及び定型化の方針に反すること、などの事情も存在する。  (五) そこで、このような諸事情を総合的に考慮すると、逸失利益の算定における中間利息の控除方法としては、特段の事情のない限り、年5分の割合によるライプニッツ方式を採用することが相当と判断した。 第3 共同提言の内容の具体的な適用例  1 共同提言の内容の具体的な適用例は,別紙の「逸失利益の算定についての具体的な適用例」を参照されたい。  2 また,適用例は,あくまでも共同提言の内容を分かりやすく説明するために類型的かつ原則的な場合を想定したものであり,現実の具体的な事件においては,諸般の事情にかんがみて,異なる取扱いがされる場合もある。

 

具体的な適用例はまた別途ご紹介いたします。

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交通事故損害賠償額の減額事項

2017-04-17

交通事故の損害額を算定する場合には、公平の観点や二重利得回避の観点から、減額されることがあります。交通事故における減額事項は主に、損益相殺、過失相殺、素因減額があります。以下ではこれらの解説をします。

 被害者またはその相続人が事故に起因して何らかの利益を得た場合、その利益分を損害賠償額から控除することを損益相殺といいます。損益相殺を行うのは、事故によって損害を負ったとしても、損害のてん補を受けているのであれば、それ以上に被害者が損害賠償を受けるのは二重に利得することであり、公平に反するからです。いわゆる焼け太りの防止です。以下では、損益相殺の対象となるものを挙げます

・自賠責損害賠償額・政府保障事業によるてん補金

 これらは損益相殺の対象となります。

・各種社会保険給付金

 厚生年金保険法・国民年金法・各種共済組合法・労働者災害補償保険法・恩給法・健康保険法・国民健康保険法等からの給付金をいいます。

 これらのほとんどは損害のてん補を目的としており、かつ給付を行った公的機関がこの者に対して求償権を取得することが規定されていますので損益相殺の対象となります。しかし、労働者災害補償保険法の特別支給金(休業特別支給金、障害特別支給金、障害特別年金、遺族特別年金)については被災労働者の福祉増進を目的としており、代位取得の規定がないことから損益相殺は認められません。

 生活保護法に基づく扶助費については、損害のてん補と同様の給付が行われている一方で、被害者が損害賠償を受けた場合には返還義務を負うと規定されているので判断は分かれます。雇用保険法に基づく給付も福祉的な観点から給付されるものであり代位規定もないので、損益相殺の対象にはなりません。

・生命保険・傷害保険からの保険金

 被害者が保険金を払ったことから保険金を受け取れるのであり、代位規定もないことから損益相殺の対象になりません。

・独立行政法人自動車事故対策機構法からの介護料

 損益対象の対象とはなりません。

・香典・見舞金

 基本的には損益相殺の対象とはなりませんが、社会通念上相当と考えられる額を超える場合には、損害賠償の一部を履行したとして損益相殺の対象となります。

・自損事故保険

 損益相殺の対象にはなりません

・搭乗者傷害保険

 損益相殺の対象にはならないとされています。

特定の損害項目のために給付が行われた場合には、その項目を超えて損益相殺は行われません。損害項目をどう分けるかは、積極損害、消極損害、慰謝料で分けるのが妥当といえます。判例も、休業補償給付金によっててん補される損害は、財産的損害のうち消極損害のみであって、この給付額を積極損害及び精神的損害(慰謝料)との関係で控除することは許されないと判示しています。

 

過失相殺は、損害の公平な負担の観点から、交通事故について被害者にも落ち度がある場合には、その程度に応じて当事者間の過失割合を決めてその分を損害賠償額から控除するものです。

実務上は「東京地裁民事交通訴訟研究会編「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」別冊判例タイムズ16号」に記載されている図等を使用しています。この書籍には、自動車対自動車、自動車対自動二輪、自動車対歩行者、駐車場内での事項等々のケースが収録されています。

過失相殺が適用される事案の場合、過失相殺と損益相殺の順序が問題となります。これは各種保険金の給付目的等を勘案して決めることになります。健康保険・厚生年金については損害から社会保険給付を控除した後に過失相殺を行います。労災保険は過失相殺をした後に金が幾から控除しています。

 

素因とは、損害の発生及び拡大に影響した被害者側の事情をいいます。被害者の落ち度である過失相殺ではないですが、損害の公平な負担という理屈から、過失相殺の理論が適用されて損害額が減額されます、それを訴因減額といいます。素因には身体的素因と心因的素因があります。身体的素因によって減額される場合というのは、判例は、疾患に該当する場合には素因減額をすることができるが、疾患に該当しない各人の身体的特異性については特段の事情がない限り素因減額の対象とはならないとされています。

本件事故のみによって通常発生する程度、範囲を超えていて、かつ、その損害の拡大について被害者の心因的要因が寄与しているような場合には減額することができます。被害者が自殺したような場合には争いになることがあります。

 

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後遺障害等級の認定手続き

2017-04-16

後遺障害とは、怪我が治った時に身体に存する障害、つまり、治療を継続してもこれ以上症状が改善する見込みがなくなった段階(症状固定)に残った身体的・精神的な毀損状況をいいます。症状固定までについては傷害についての損害の問題、症状固定後は後遺障害の損害の問題となりますので、症状固定は重要な意味を持ちます。症状固定は担当医が基本的には決めますが、法的評価の問題でもあるので、保険会社が症状固定として治療を打ち切ってくることがあり、争いとなることも少なくありません。保険会社から治療打ち切りと言われて弁護士に相談するという被害者の方もいます。

 自賠責保険では、自動車損害賠償保障法施行令2条、別表後遺障害別等級表によって等級認定を行い、裁判でも基本的には同様の等級認定を行います。自賠責保険では、当てはめに際して、労災保険における障害認定基準に準拠するものとされており、裁判例の大半もこの基準に基づいて等級評価を行っています。ただし、自賠責保険と違う等級を認定する裁判例もあります。実務上重要な書籍として「労災補償 障害認定必携」があります。後遺障害認定を目指す場合には同書籍をよく検討して、後遺障害診断書を取得したり、意見書を作成する必要があるといえます。

 後遺障害に対する、自賠責保険金を受領するには、損害保険料率算出機構による等級認定を受ける必要があります。認定手続には、相手方任意保険会社が行う事前認定と被害者自身で行う被害者請求の方法で行う手続があります。事前認定の場合には、手続をほぼ全て相手保険会社が行うため、手続の負担がなく楽というメリットがあります。しかし、相手保険会社はあくまで相手方です。後遺障害が認定された場合、損害賠償の負担は増えますので、相手方保険会社が積極的に後遺障害認定に動いてくれるかは疑問です。被害者請求した場合には、手続負担は大きいですが、ご自身で十分な準備をして申請を行えますので、たとえ認定されなくても、事前認定で認定されなかった場合と比べて満足度はあると思います。手続が煩雑な場合には弁護士に依頼すると良いでしょう、弁護士に依頼した場合には、各種書類の他に意見書を添付します。

 事前認定をするにしても、被害者請求をするにしても、後遺障害認定を目指す場合には、「自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書」を医師に作成してもらう必要があります。書式は病院に備え付けられている場合もありますし、ない場合には自賠責窓口保険会社に問い合わせれば貰えます。その際には、被害者請求に必要な書類(診断書、診療報酬明細書)の他に、レントゲン画像、MRI、CT等の画像データも一緒に提出すると良いでしょう。仮に提出していなくても、自賠責の調査事務所から提出を求められることがほとんどです。

被害者請求の場合には、提出書類を揃えるのが意外と大変です。自賠責窓口保険会社から書式やパンフレットが貰えますので、それに沿って作成、収集していけばいいのですが、意外とこれが大変です。なので、被害者請求する場合には弁護士に依頼してサポートしてもらうのが良いと思います。

 後遺障害認定にとって後遺障害診断書は非常に重要な書類です。しかし、医師は治療のプロであって、後遺障害認定のプロではないため、よく記載が漏れている場合があります。そのため、弁護士に依頼して、後遺障害診断書を取得する段階からサポートしてもらう方が良いでしょう。内容虚偽の診断書を作成してもらうわけにはいけませんが、しっかりとした適正な検査等をしてもらい、適切な記載をしてもらう必要があります。非常に重要な部分なのに空白になっていることもあり、これでは認定は難しいと思われます。

 後遺障害認定は提出してから数カ月程度の時間がかかります。早くても1月はかかるでしょう。後遺障害認定がなされると、窓口保険会社に通知がいき、保険会社から本人に通知がいき、保険金の支払いがなされます。非該当の場合には非該当の通知がいきます。この認定に不服がある場合には、異議申立てをすることができます。書式はありませんが当職ですと異議申立書を作成して、新たな証拠等を提出します、あらたな証拠としては、医療照会書等の医師の意見が記載されているもの、本人や家族の陳述書、レントゲン、MRI、CT等の画像データ等々があります。

 後遺障害が認定されるか否かは、保険金額が大きく変わるため非常に重要です。例えば、自賠責においては、等級に応じて自賠責での保険金の支払上限額が大きく変わります。傷害の場合は120万円ですが、後遺障害が認定されると、後遺障害14級の場合は75万円、後遺障害13級の場合は139万円、後遺障害12級の場合は224万円、後遺障害11級の場合は331万円、後遺障害10級の場合は461万円、後遺障害9級の場合は616万円、後遺障害8級の場合は819万円、後遺障害7級の場合には1051万円、後遺障害6級の場合は1296万円、後遺障害5級の場合は1574万円、後遺障害4級の場合は1889万円、後遺障害3級の場合は2219万円、後遺障害2級の場合は2590万円、後遺障害1級の場合は3000万円が上限として加算されます。

 後遺障害等級認定、被害者請求は、専門家である弁護士に依頼することをお勧めします。

 

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自賠責に対する不服申立手段

2017-04-15

自賠責の後遺障害認定に係る判断やそれに基づく損害賠償額の決定に対して不服がある場合には、保険会社に対して異議申立てを行うことができます。異議申立ては事前認定のときは相手保険会社に対して、被害者請求の時には自賠責保険会社に対して、異議申立書を提出することになります。異議申立書には決められた書式はありませんが、当職ですと異議申立書と題した書面に、異議申立の趣旨や理由を記載し、また新たな診断書や医療照会書等の証拠を添付して提出します。異議申立てをすると回答がきますが、これに不服がある場合には、何度でも異議申立をすることができます。つまり異議申立に回数制限はないことになります。しかし、新事実がないのに何度も異議申立をするのは時間の無駄と言えるでしょう。

 異議申立てをしても認定が覆らなかった場合、一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構(紛争処理機構)に当該紛争の調停(紛争処理)の申請を行うことができます。しかし、以下のような場合には申請は受理されません。

・民事調停または民事訴訟が係属中である場合

・他の期間に申し出ている斡旋等について当該調停を開始するため当該機関に中断または中止する旨を連絡していない場合

・不当な目的で申請したと認められる場合

・権利または権限なくして申請したと認められる場合

・弁護士法72条に違反する合理的な疑いがあると認められた場合

・自賠責保険から支払われる支払金額に影響がない場合

・紛争処理機構によって既に紛争処理を行った紛争である場合

・自賠責保険への請求がない事件に係る紛争であると認められる場合

・その他、紛争処理機構で紛争処理を実施することが適当でない場合

 

紛争処理の申請手続は、以下の事項を記載した申請書を紛争処理機構に提出します。

・当事者およびその代理人の氏名または名称及び住所

・紛争処理を求める事項

・紛争の問題点、交渉経過の概要および請求の内容

・事故の状況の概要その他紛争処理を行うに際し、参考となる事項

・申請の年月日

・他の期間において法律相談、斡旋等を行っている場合はその機関名

申請書には証拠書類等を添付して提出します。

 紛争処理は自賠責の判断の根拠となった資料などに基づいて行われます。必要があれば、証拠の収集等の独自調査が行われることもあります。民事調停のように当事者と面談して話を聴くということはせずに、基本的には当事者の主張書面等の書面審査が中心となります。

 紛争処理機構の調停結果に不服がある場合でも、最後の申請をすることはできません。この場合には民事訴訟を提起することが最終手段となります。また、人身傷害保険の事前認定の場合には紛争処理機構に紛争処理の申請はすることができません。

 

中国人の交通事故、自賠責請求、後遺障害認定、示談交渉は、中国語が話せる弁護士永田洋子にご相談ください。

電話番号は0800-700-2323(フリーコール)

自賠責請求の手続(被害者請求)

2017-04-14

自賠責に対する請求には被害者請求と加害者請求があると以前にお話ししましたが、ここでは被害者本人が自賠責の窓口保険会社に対してする、被害者請求の手続を解説します。

 自賠責に対して直接請求する被害者請求といっても通常はどのようにして良いのかわからないものです。そこで、まずは、交通事故証明書を取得しましょう。交通事故証明書は当該事故を処理してくれた管轄の警察署にいけば発行してくれます。そして、その交通事故証明書を見ると、相手方の欄に自賠責の窓口保険会社が記載されています。そこに電話をして、書式や説明書きが書いてあるパンフレットを送付してもらってください。あとは、そのパンフレットに記載のある通りに書類を集めて、その窓口保険会社に提出すれば被害者請求をしたことになります。

 被害者請求では具体的には以下の書類を提出することになります。

・自動車損害賠償責任保険保険金支払請求書兼支払指図書

・診断書又は死亡検案書

・死亡事故の場合には戸籍謄本

・交通事故証明書

・事故発生状況報告書

・診療報酬明細書

・通院交通費明細書

・付添看護自認書または看護料領収書

・休業損害証明書

・請求者の印鑑証明書

・第三者に委任する場合には、委任状及び委任者の印鑑証明書

基本的には原本が必要になりますので、注意が必要です。相手保険会社等が既に集めている場合には、その写しをまとめてもらい、原本と相違なしの印を押してもらう等すると、書類の収集は簡単になります。しずれにしても、ご自身でやるにはやや煩雑なので、被害者請求手続は弁護士に依頼すると良いと思います。

 傷害のみの場合には上記の書類で足りますが、後遺障害の等級認定も求める場合には、この被害者請求の手続を利用します。その際は、後遺障害診断書も添付して提出することになります。また、この時にはレントゲン画像やMRIの画像データの提出も求められることがほとんどですので、一緒に提出すると良いと思います。

 後遺障害が認定された場合、等級に応じて自賠責での保険金の支払上限額が大きく変わります。傷害の場合は120万円ですが、後遺障害が認定されると、後遺障害14級の場合は75万円、後遺障害13級の場合は139万円、後遺障害12級の場合は224万円、後遺障害11級の場合は331万円、後遺障害10級の場合は461万円、後遺障害9級の場合は616万円、後遺障害8級の場合は819万円、後遺障害7級の場合には1051万円、後遺障害6級の場合は1296万円、後遺障害5級の場合は1574万円、後遺障害4級の場合は1889万円、後遺障害3級の場合は2219万円、後遺障害2級の場合は2590万円、後遺障害1級の場合は3000万円が上限として加算されます。そのため、後遺障害が認定されるか否かは非常に重要ですので、後遺障害の認定を求める際には、後遺障害の内容を精査し、医師に後遺障害診断書の作成をしてもらう段階から弁護士に助言をもらうのが良いと思います。というのも、医師は治療のプロですが、後遺障害認定のプロではないので、時々、認定のために重要な検査が漏れている場合があります。そうして、後遺障害診断書を作成してもらったうえで、弁護士の意見書を添付して、提出すると良いかと思います。

 

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自賠責保険の支払基準

2017-04-13

自賠責保険は法律に基づいて加入が義務付けられている強制保険であり、ほぼ全ての車両が加入しています。しかし、必ずしも人身損害の全てを保障してくれるというものではなく、上限額が設定されており、この上限額までしか保障してもらえません。具体的には傷害のみの場合は120万円ですが、後遺障害が認定されると、後遺障害14級の場合は75万円、後遺障害13級の場合は139万円、後遺障害12級の場合は224万円、後遺障害11級の場合は331万円、後遺障害10級の場合は461万円、後遺障害9級の場合は616万円、後遺障害8級の場合は819万円、後遺障害7級の場合には1051万円、後遺障害6級の場合は1296万円、後遺障害5級の場合は1574万円、後遺障害4級の場合は1889万円、後遺障害3級の場合は2219万円、後遺障害2級の場合は2590万円、後遺障害1級の場合は3000万円が上限として加算されます。また、死亡の場合も3000万円となります。さらに、この上限額を前提として、細かく支払基準が定められていますのでご紹介させて頂きます。

 

 傷害による損害は、積極損害(治療関係費、文書料その他の費用)、休業損害及び慰謝料とする。

1 積極損害

(1)治療関係費

 ①応急手当費

  応急手当に直接かかる必要かつ妥当な実費とする。

 ②診察料

  初診料、再診料又は往診料にかかる必要かつ妥当な実費とする。

 ③入院料

  入院料は、原則としてその地域における普通病室への入院に必要かつ妥当な実費とする。ただし、被害者の傷害の態様等から医師が必要と認めた場合は、上記以外の病室への入院に必要かつ妥当な実費とする。

 ④投薬料、手術料、処置料等

  治療のために必要かつ妥当な実費とする。

 ⑤通院費、転院費、入院費又は退院費

  通院、転院、入院又は退院に要する交通費として必要かつ妥当な実費とする。

 ⑥看護料

 ア 入院中の看護料

   原則として12歳以下の子供に近親者等が付き添った場合に1日につき4100円とする。

 イ 自宅看護料又は通院看護料

   医師が看護の必要性を認めた場合に次のとおりとする。ただし、12歳以下の子供の通院等に近親者が付き添った場合には医師の証明は要しない。

 (ア)厚生労働大臣の許可を受けた有料職業紹介所の紹介による者

    立証資料等により必要かつ妥当な実費とする。

 (イ)近親者等

    1日につき、2050円とする。

 ウ 近親者等に休業損害が発生し、立証資料等により、ア又はイ(イ)の額を超えることが明らかな場合は、必要かつ妥当な実費とする。

 ⑦ 諸雑費

   療養に直接必要のある諸物品の購入費または使用料、医師の指示により摂取した栄養物の購入費、通信費等とし、次のとおりとする。

 ア 入院中の諸雑費

   入院1日につき1100円とする。立証資料等により1日につき1100円を超えることが明らかな場合は、必要かつ妥当な実費とする。

 イ 通院又は自宅療養中の諸雑費

   必要かつ妥当な実費とする。

 ⑧柔道整復等の費用

  免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。

 ⑨義肢等の費用

 ア 傷害を被った結果、医師が身体の機能を補完するために必要と認めた義肢、歯科補てつ、義眼、眼鏡(コンタクトレンズを含む。)、補聴器、松葉杖等の用具の政策等に必要かつ妥当な実費とする。

 イ アに掲げる用具を使用していた者が、傷害に伴い当該用具の修繕又は再調達を必要とするに至った場合は、必要かつ妥当な実費とする。

 ウ ア及びイの場合の眼鏡(コンタクトレンズを含む)のの費用については、50000円を限度とする。

 ⑩ 診断書等の費用

   診断書、診療報酬明細書等の発行に必要かつ妥当な実費とする。

(2)文書料

   交通事故証明書、被害者側の印鑑証明書、住民票等の発行に必要かつ妥当な実費とする。

(3)その他の費用

   (1)治療関係費及び(2)文書料以外の損害であって事故発生場所から医療機関まで被害者を搬送するための費用等については、必要かつ妥当な実費とする。

2 休業損害

(1)休業損害は、休業による収入の減少があった場合又は有給休暇を使用した場合に1日につき原則として5700円とする。ただし、家事従業者については、休業による収入の減少があったものとみなす。

(2)休業損害の対象となる日数は、実休業日数を基準とし、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して治療期間の範囲内とする。

(3)立証資料等により1日につき5700円を超えることが明らかな場合は、自動車損害賠償保障法施行令第3条の2に定める金額を限度として、その実額とする。

3 慰謝料

(1)慰謝料は、1日につき4200円とする。

(2)慰謝料の対象となる日数は、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内とする。

(3)妊婦が胎児を死産または流産した場合は、上記のほかに慰謝料を認める。

 

後遺障害による損害は、逸失利益及び慰謝料等とし、自動車損害賠償保障法施行令第2条並びに別表第1及び別表第2に定める等級に該当する場合に認める。等級の認定は、原則として労働者災害補償保険における障害の等級認定の基準に準じて行う。

1 逸失利益

  逸失利益は、次のそれぞれに掲げる年間収入額又は年相当額に該当等級の労働能力喪失率(別表Ⅰ)と後遺障害確定時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数(別表Ⅱ-1)を乗じて算出した額とする。ただし、生涯を通じて全年齢平均給与額(別表Ⅲ)の年相当額を得られる蓋然性が認められない場合は、この限りでない。

(1)有職者

   事故前1年間の収入額と後遺障害確定時の年齢に対応する年齢別平均給与額(別表Ⅳ)の年相当額のいずれか高い額を収入額とする。ただし、次の者については、それぞれに掲げる額を収入額とする。

 ① 35歳未満であって事故前1年間の収入額を立証することが可能な者

   事故前1年間の収入額、全年齢平均給与額の年相当額及び年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額

 ②事故前1年間の収入額を立証することが困難な者

 ア 35歳未満の者

   全年齢平均給与額の年相当額又は年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額。

 イ 35歳以上の者年齢別平均給与額の年相当額

 ③ 退職後1年を経過していない失業者(定年退職者等を除く)

   以上の基準を準用する。この場合において、「事故前1年間の収入額」とあるのは、「退職前1年間の収入額」と読み替えるものとする。

(2)幼児・児童・生徒・学生・家事従業者

   全年齢併給給与額の年相当額とする。ただし、58歳以上の者で年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を下回る場合は、年齢別併給給与額の年相当額とする。

(3)その他働く意思と能力を有する者

   年齢別平均給与額の年相当額とする。ただし、全年齢平均給与額の年相当額を上限とする。

2 慰謝料等

(1)後遺障害に対する慰謝料等の額は、該当等級ごとに次に掲げる表の金額とする。

 ① 自動車損害賠償保障法施行令別表第1の場合

 第1級  1600万円

 第2級  1163万円

 ② 自動車損害賠償保障法施行令別表2の場合

 第1級  1100万円

 第2級  958万円

 第3級  829万円

 第4級  712万円

 第5級  599万円

 第6級  498万円

 第7級  409万円

 第8級  324万円

 第9級  245万円

 第10級 187万円

 第11級 135万円

 第12級 93万円

 第13級 57万円

 第14級 32万円

(2)①自動車損害賠償保障法施行令別表第1の該当者であって被扶養者がいるときは、第1級については1800万円とし、第2級については1333万円とする。

   ②自動車損害賠償保障法施行令別表第2第1級、第2級又は第3級の該当者であって被扶養者がいるときは、第1級については1300万円とし、第2級については1128万円とし、第3級については973万円とする。

(3)自動車損害賠償保障法施行令別表第1に該当する場合は、初期費用等として、第1級には500万円を、第2級には205万円を加算する。

 

死亡による損害は、葬儀費、逸失利益、死亡本人の慰謝料及び遺族の慰謝料とする。後遺障害による損害に対する保険金等の支払の後、被害者が死亡した場合の死亡による損害について、事故と死亡との間に因果関係が認められるときには、その差額を認める。

1 葬儀費

(1)葬儀費は、60万円とする。

(2)立証資料等により60万円を超えることが明らかな場合は、100万円の範囲内で必要かつ妥当な実費とする。

2 逸失利益

(1)逸失利益は、次のそれぞれに掲げる年間収入額又は年相当額から本人の生活費を控除した額に死亡時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数を乗じて算出する。ただし、生涯を通じて全年齢平均給与額の年相当額を得られる蓋然性が認められない場合は、この限りでない。

① 有職者

   事故前1年間の収入額と死亡時の年齢に対応する年齢別平均給与額(別表Ⅳ)の年相当額のいずれか高い額を収入額とする。ただし、次に掲げる者については、それぞれに掲げる額を収入額とする。

 ア 35歳未満であって事故前1年間の収入額を立証することが可能な者

   事故前1年間の収入額、全年齢平均給与額の年相当額及び年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額

 イ事故前1年間の収入額を立証することが困難な者

 (ア)35歳未満の者

   全年齢平均給与額の年相当額又は年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額。

 (イ)35歳以上の者年齢別平均給与額の年相当額

 ウ 退職後1年を経過していない失業者(定年退職者等を除く)

   以上の基準を準用する。この場合において、「事故前1年間の収入額」とあるのは、「退職前1年間の収入額」と読み替えるものとする。

② 幼児・児童・生徒・学生・家事従業者

   全年齢併給給与額の年相当額とする。ただし、58歳以上の者で年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を下回る場合は、年齢別併給給与額の年相当額とする。

③ その他働く意思と能力を有する者

   年齢別平均給与額の年相当額とする。ただし、全年齢平均給与額の年相当額を上限とする。

(2)(1)にかかわらず、年金等の受給者の逸失利益は、次のそれぞれに掲げる年間収入額又は年相当額から本人の生活費を控除した額に死亡時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数を乗じて得られた額と、年金等から本人の生活費を控除した額に死亡時の年齢における平均余命年数のライプニッツ係数から死亡時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数を差し引いた係数を乗じて得られた額とを合算して得られた額とする。ただし、生涯を通じて全年齢平均給与額の年相当額を得られる蓋然性が認められない場合にはこの限りでない。年金等の受給者とは、各種年金及び恩給制度のうち原則として受給権者本人による拠出生のある年金等を現に受給していた者とし、無拠出性の福祉年金や遺族年金は含まない。

 ① 有職者

   事故前1年間の収入額と年金等の額を合算した額と、死亡時の年齢に対応する年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額とする。ただし、35歳未満の者については、これらの比較のほか、全年齢平均給与額の年相当額とも比較して、いずれか高い額とする。

 ② 幼児・児童・生徒・学生・家事従業者

   年金等の額と全年齢平均給与額の年相当額のいずれか高い額とする。ただし、58歳以上の者で年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を下回る場合は、年齢別平均給与額の年相当額と年金等の額のいずれか高い額とする。

 ③ その他働く意思と能力を有する者

   年金等の額と年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額とする。ただし、年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を上回る場合は、全年齢平均給与額の年相当額と年金等の額のいずれか高い額とする。

(3)生活費の立証が困難な場合、被扶養者がいるときは年間収入額又は年相当額から35%を被扶養者がいないときは年間収入額又は年相当額から50%を生活費として控除する。

3 死亡本人の慰謝料

  死亡本人の慰謝料は350万円とする。

4 遺族の慰謝料

  慰謝料の請求権者は、被害者の父母、配偶者及び子(養子、認知した子、胎児を含む)とし、その額は、請求権者1人の場合は550万円とし、2人の場合は650万円とし、3人以上の場合は750万円とする。なお、被害者に被扶養者がいる場合には200万円を加算する。

 

死亡に至るまでの傷害による損害は、積極損害、休業損害及び慰謝料とし、傷害による損害の基準を準用する。ただし事故当日及び事故翌日死亡の場合は、積極損害のみとする。

 

被害者に重大な過失がある場合には次に掲げる表のとおり、積算した損害額が保険金額に満たない場合には損害額から、保険金額以上になる場合には保険金額から減額を行う。ただし、傷害による損害額(後遺障害及び死亡に至る場合を除く)が20万円未満の場合はその額とし、減額により20万円未満となる場合は20万円とする。

表省略

被害者の過失が7割未満の場合は、後遺障害又は死亡に係るもの、傷害に係るものいずれも減額なしとなります。

被害者の過失が7割以上10割未満の場合、傷害に係るものは2割減額となります。後遺障害又は死亡に係る者の場合、7割以上8割未満の場合は2割減額、8割以上9割未満の場合は3割減額、9割以上10割未満の場合は5割減額となります。

 被害者が既往症等を有していたため、死因又は後遺障害発生原因が明らかでない場合等受傷と死亡との間及び受傷と後遺障害との間の因果関係の有無の判断が困難な場合は、死亡による損害及び後遺障害による損害について、積算した損害額が保険金額に満たない場合には積算した損害額から、保険金額以上となる場合には保険金額から5割の減額を行う。

 

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