Archive for the ‘刑事事件コラム’ Category

中国人の刑事弁護(強姦、準強姦、集団強姦、強姦致死傷)

2017-04-28

強姦罪で逮捕されてしまった場合、どのように対応したらよいでしょうか。まずは、強姦罪の条文をご紹介いたします。

 

(強姦)

第177条  暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

(準強制わいせつ及び準強姦)

第178条  人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。

 女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。

(集団強姦等)

第178条の2  二人以上の者が現場において共同して第百七十七条又は前条第二項の罪を犯したときは、四年以上の有期懲役に処する。

(未遂罪)

第179条  第百七十六条から前条までの罪の未遂は、罰する。

(親告罪)

第180条  第百七十六条から第百七十八条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

 前項の規定は、二人以上の者が現場において共同して犯した第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪については、適用しない。

(強制わいせつ等致死傷)

第181条  第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

 第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。

 第百七十八条の二の罪又はその未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。

 

13歳以上の女子に暴行脅迫を用いて姦淫した場合に強姦となります。13歳未満の場合には、暴行脅迫を用いずに同意があったとしても強姦罪となります。量刑は3年以上の有期懲役ということになります。飲酒や薬物等で心神喪失または抗拒不能にさせて姦淫した場合、心身喪失、抗拒不能に乗じて姦淫した場合も準強姦罪として強姦罪と同様に処罰されます。3年以上の有期懲役と幅がありますが、これは暴行脅迫の程度や住居侵入を伴うものか否か等の強姦の態様や前科関係等々を考慮して量刑は決められます。180条を見ていただければお分かりだと思いますが、強姦罪は親告罪なので、示談して告訴を取り消してもらえれば不起訴となります。

 178条の2は集団強姦罪の規定になっています、世間を騒がせた大学でのサークルでの事件をきっかけに新設されたものになります。量刑は4年以上の有期懲役となっており、通常の強姦罪より重くなっています。また、180条の対象となっていませんので、親告罪でもありません。

 181条2項は強姦致死傷罪の規定で量刑は無期または5年以上の懲役となっています。181条3項は集団強姦致死傷の規定で、量刑は無期または6年以上の懲役となっています。いずれも怪我や死亡させてしまった場合の規定であり、通常より重く処罰されます。また、親告罪の対象ではなく、裁判員裁判対象事件ということになります。親告罪ではありませんが、怪我の程度や被害者の意思等から示談をして告訴取消まで取得できた場合には不起訴になる場合もあります。起訴されてしまった場合でも、示談成立は量刑に大きな影響をあたえますので、示談の重要性は変わらないといえます。

上記の通り、強姦罪で認めている場合にはまずは示談を検討することになります。示談は弁護士に依頼することになります。とくに性犯罪の場合には、被害者が加害者本人に連絡先を教えることは考えづらいので、弁護士に依頼するのが良いでしょう。

 なお、否認している場合でも、取調べ対応が非常に重要になりますので、できるだけ早く弁護士に依頼することをお勧めします。

 

中国人の刑事事件、逮捕、強姦、示談、告訴取消しに関するご相談は、中国語の話せる弁護士永田洋子にご相談ください。

電話番号0800-700-2323

中国人の刑事弁護(強制わいせつ、準強制わいせつ、強制わいせつ致死傷)

2017-04-28

強制わいせつ罪にも様々な態様があります。電車の中で女子高生の下着の中に手を入れて臀部を触ったり、路上で女性の胸を鷲掴みしたり、いきなりキスをしたり等々です。強制わいせつ罪で逮捕されてしまった場合にはどのように対応したらよいでしょうか。まずは、強制わいせつ罪の条文をご紹介いたします。

 

(強制わいせつ)

第176条  十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

(準強制わいせつ及び準強姦)

第178条  人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。

(未遂罪)

第179条  第百七十六条から前条までの罪の未遂は、罰する。

(親告罪)

第180条  第百七十六条から第百七十八条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

 前項の規定は、二人以上の者が現場において共同して犯した第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪については、適用しない。

(強制わいせつ等致死傷)

第181条  第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

 第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。

 第百七十八条の二の罪又はその未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。

 

13歳以上の男女に対して暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした場合が該当します。13歳未満の男女の場合は、同意があってもわいせつ行為をしたら同罪が成立します。強制わいせつ罪は対象が男女となっていますので、同性愛者が同性に対して行った場合にも同罪が成立します。飲酒させて泥酔させたり、薬物を使用させたりして心神喪失または抗拒不能状態にさせた場合、元から心神喪失状態や抗拒不能状態を利用してわいせつ行為をした場合にも準強制わいせつ罪として強制わいせつ罪と同様に処罰されます。

量刑は6月以上10年以下の懲役と一定の幅があります。量刑は、前科の有無や、暴行脅迫の程度、わいせつ行為の態様等を考慮して決めることになります。路上で服の上から胸を触ったようなものから、強姦未遂のような態様のものまで様々なものがあります。

刑法180条を見ていただければお分かりだと思いますが、強制わいせつ罪は親告罪となっています。そのため、示談をして告訴を取り下げてもらえれば不起訴となることになります。なので、有効な弁護活動としては1にも2にも示談ということになります。起訴されてしまった後には告訴を取り下げてもらっても不起訴にはなりませんので、検察官が起訴するまでが勝負ということになります。起訴されてしまった後も、示談することが無意味というわけではありません。示談したことが量刑に影響します。執行猶予やできるだけ軽い刑を求める場合には示談は必須といえます。量刑の問題だけではなく、示談をすれば、釈放が早まったり、保釈も通りやすくなるので、示談はした方がよいでしょう。

 強制わいせつ罪を犯して、被害者が怪我をしてしまったり、死んでしまったような場合には強制わいせつ致死傷罪となります。量刑は無期または3年以上の懲役となります。このように非常に重くなりますし、裁判手続も裁判員裁判対象事件となります。

 また、180罪は強制わいせつ致死傷罪は対象としていないので、親告罪とはなりません。なので、示談して告訴を取り消して貰ったからといっても必ず不起訴になるというものではありません。とはいっても傷害の程度が軽微な場合や被害者が不起訴を強く望んでいるような場合には不起訴になることが多いように感じます。また、起訴後は示談したことは量刑にも大きく影響しますので、示談の重要性は変わらないでしょう。

 上記の通り、強制わいせつ罪で認めている場合にはまずは示談を検討することになります。示談は弁護士に依頼することになります。とくに性犯罪の場合には、被害者が加害者本人に連絡先を教えることは考えづらいので、弁護士に依頼するのが良いでしょう。

 なお、否認している場合でも、取調べ対応が非常に重要になりますので、できるだけ早く弁護士に依頼することをお勧めします。

 

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中国人の刑事弁護(傷害)

2017-04-27

相手を殴って怪我を負わせてしまった、相手を蹴り飛ばして怪我を負わせてしまった、相手を突き倒して怪我を負わせてしまった。傷害事件にも様々な態様があります。暴行をして、被害者が怪我を負ってしまった場合が傷害罪ということになります。まず、以下では傷害罪の条文をご紹介いたします。

 

(傷害)

第二百四条  人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(傷害致死)

第二百五条  身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

 

このように、暴行に比べると非常に重くなっています。特に究極の傷害結果である死亡させてしまった場合には傷害致死として別罪が規定されており、非常に重くなっています。

思い中でも、15年以下の懲役または50万円以下の罰金と、非常に開きがあります。そのように、処分を決めるかは、被害者の傷害の程度が重要となります。当然、被害者の怪我の程度が重ければ重いほど、処分も重いものになると思われます。

 感覚ですが、前科等がないばあいで、全治数週間程度の怪我であれば、処分は罰金になる可能性が高いといえます。重症すなわち全治数か月に及んだり、後遺障害が残るような傷の場合には、罰金ではなく、起訴されて公判請求される可能性が高いといえます。

 傷害罪は被害者個人の身体を守るための法律ですので、被害者と示談することは非常に有効となります。怪我の程度や、行為の反社会性の程度にもよりますが、被害者と示談し宥恕(被害者が加害者を許すという意思)も取得できれば、不起訴になる可能性が高い事件類型といえます。そのため、傷害事件を起こしてしまった場合には被害者と示談をすることが重要といえます。示談金としては、治療費と慰謝料を支払っていくことになります。治療費は明確ですが、慰謝料には明確な相場はありません。そのため、実務上はよく交通事故の慰謝料の表等を参考にしたりします。このようにして、提示する示談金を提示するのが良いでしょう。

 傷害事件の場合、性犯罪の場合と比べると被害者と直接連絡が取れる場合があります。そのような場合でも弁護士に依頼して示談交渉をするのが良いと思います。やはり、加害者と被害者が直接示談交渉するのは感情の対立が先鋭化してしまい、まとめるのは中々難しいといえます。仮に金額がまとまっても、示談書作成の問題も出てきます。お金だけ払って有効な示談書がない状態。このような事態だけは避けるべきといえます。このようなことから、やはり弁護士に示談交渉を依頼するとよいでしょう。被害者と顔見知りで示談交渉はすでに済んでいて、あとは示談書だけ作成してもらいたいというご相談も受け付けていますので、遠慮なくご相談ください。

 傷害罪で逮捕されている場合でも、示談をすることによって、勾留延長されなかったり身柄解放が早まる可能性があります。また、起訴後においては保釈が通りやすくなったり、宣告系が軽くなる可能性があります。

なお、否認している場合でも、取調べ対応が非常に重要になりますので、できるだけ早く弁護士に依頼することをお勧めします。

 

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中国人の刑事弁護(暴行)

2017-04-27

駅や飲食店で暴行事件を起こしてしまった場合、どのように対処したらよいでしょうか。暴行とは不法な有形力の行使と言われています。暴行をして被害者が怪我を負ってしまった場合は傷害罪となります。まずは、暴行罪の条文をご紹介いたします。

 

(暴行)

第208条  暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 

暴行にも様々な態様があります。先ほども述べましたが、暴行の定義は不法な有形力の行使ですので、殴ったり蹴ったりするという典型的な態様から、胸ぐらをつかむというのも暴行となります。また、髪の毛を切ったり、精液をかけたりする等の場合も暴行罪に該当する可能性があります。

条文を見ていただければお分かりだと思いますが、被害者に怪我が生じていない場合ですので、比較的軽い量刑となっています。前科がない場合ですと、罰金刑になることが多いように思われます。比較的軽い事件類型のため、暴行で逮捕された場合でも、被害者と示談をすることによって不起訴になる可能性が高い類型でもあります。逮捕されてしまった場合でも、弁護士に依頼し、勾留阻止の活動をしっかりとすることによって、勾留決定を回避することができる可能性もあります。いずれにしても、身柄解放活動や示談交渉をするためにも弁護士に依頼されることをお勧めします。早期身柄解放や前科が付くことを防ぐことができるということになります。特に逮捕されている場合には時間がありませんので、早期に弁護士に依頼するべきといえます。

なお、否認している場合でも、取調べ対応が非常に重要になりますので、できるだけ早く弁護士に依頼することをお勧めします。

 

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中国人の刑事弁護(窃盗)

2017-04-26

窃盗にもいろいろあります。コンビニやスーパー等での万引きから、住居侵入を伴う空き巣等々です。窃盗罪で警察に捕まってしまった、逮捕されてしまったという場合ににはどのようになってしまうのでしょうか。まずは、窃盗罪の条文をご紹介いたします。

 

(窃盗)

第235条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 

このように、10年以下の懲役又は50万円以下の懲役となっており、非常に幅があります。窃盗罪の刑の重さを決めるにあたっては、やはり被害額の大きさが重要になってくると思われます。感覚では万引き等1万円以下程度では、微罪処分といって、警察がまとめて検察に送致して終わりという処分になることが多いと思われます。被害額は数万円程度であれば罰金、数十万円になってくると罰金ではなく、公判請求といったところでしょうか。当然、被害額だけで決まるわけではなく、前科関係や行為態様も含めて考慮されます。万引きでも、前科が多ければ起訴される可能性が高いと思われますし、被害額がそこまで高くなくても住居侵入を伴うものであったり、行為態様の悪いものであれば、公判請求される可能性も高いと思われます。

 窃盗罪で警察に捕まってしまった場合、上記のような処分を受ける可能性がありますが、弁護活動としてはやはり被害弁償が重要になってくると思われます。つまり盗ったものは返すということです。できれば慰謝料等も加えて示談ができれば不起訴になり、前科が付かなくなる可能性が高まります。

 弁護士としての感覚ですが、大きなチェーン展開をしているようなお店が被害者ですと、示談は応じてもらえないことが多いです。この場合には、被害弁償をしてレシートをもらうということになります。私の知っている事例では被害弁償も受け付けてくれなかったお店もありますので、過度な期待は禁物です。それほど迷惑をかけたということになります。

 ただ、被害弁償を受けてくれるお店であれば、被害弁償をすることは非常に有効になります。弁護活動としては、被害弁償の証拠とともに不起訴処分の意見書を検察官に提出することになります。また、すでに起訴されてしまった場合には、証拠提出して、執行猶予等できるだけ軽い刑を求めていくことになります。

 窃盗罪で逮捕されている場合も示談は非常に有効です。上記のように処分に有利に影響しますし、被害弁償や示談成立の事実が、身柄解放の時期にも影響してきます。たとえば、示談成立等を検察官に報告すると釈放されたりします。また勾留延長されなかったり、勾留取消しが認められる可能性があります。また、起訴後であっても、被害弁償済みであったり、示談成立済みであれば、保釈が通りやすくなると思われます。

 上記のとおりですので、窃盗罪で捕まってしまった場合には早期に弁護士に依頼して対策をとることをお勧めします。なお、否認している場合でも、取調べ対応が非常に重要になりますので、できるだけ早く弁護士に依頼することをお勧めします。

 

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退去強制事由(入管法24条4号)、中国人の刑事弁護と入管

2017-04-26

入管法24条4号では、以下のように退去強制事由が規定されています。まずは、条文をご紹介後解説します。

 

第二十四条  次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続により、本邦からの退去を強制することができる。

四  本邦に在留する外国人(仮上陸の許可、寄港地上陸の許可、船舶観光上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可又は遭難による上陸の許可を受けた者を除く。)で次のイからヨまでに掲げる者のいずれかに該当するもの

イ 第十九条第一項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行つていると明らかに認められる者(人身取引等により他人の支配下に置かれている者を除く。)

ロ 在留期間の更新又は変更を受けないで在留期間(第二十条第五項の規定により本邦に在留することができる期間を含む。第二十六条第一項及び第二十六条の二第二項(第二十六条の三第二項において準用する場合を含む。)において同じ。)を経過して本邦に残留する者

ハ 人身取引等を行い、唆し、又はこれを助けた者

ニ 旅券法 (昭和二十六年法律第二百六十七号)第二十三条第一項 (第六号を除く。)から第三項 までの罪により刑に処せられた者

ホ 第七十四条 から第七十四条の六の三 まで又は第七十四条の八 の罪により刑に処せられた者

ヘ 第七十三条 の罪により禁錮以上の刑に処せられた者

ト 少年法 (昭和二十三年法律第百六十八号)に規定する少年で昭和二十六年十一月一日以後に長期三年を超える懲役又は禁錮に処せられたもの

チ 昭和二十六年十一月一日以後に麻薬及び向精神薬取締法 、大麻取締法 、あへん法 、覚せい剤取締法 、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律 (平成三年法律第九十四号)又は刑法第二編第十四章 の規定に違反して有罪の判決を受けた者

リ ニからチまでに掲げる者のほか、昭和二十六年十一月一日以後に無期又は一年を超える懲役若しくは禁錮に処せられた者。ただし、刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者及び刑の一部の執行猶予の言渡しを受けた者であつてその刑のうち執行が猶予されなかつた部分の期間が一年以下のものを除く。

ヌ 売春又はその周旋、勧誘、その場所の提供その他売春に直接に関係がある業務に従事する者(人身取引等により他人の支配下に置かれている者を除く。)

ル 次に掲げる行為をあおり、唆し、又は助けた者

(1) 他の外国人が不法に本邦に入り、又は上陸すること。

(2) 他の外国人が偽りその他不正の手段により、上陸の許可等を受けて本邦に上陸し、又は前節の規定による許可を受けること。

オ 日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入している者

ワ 次に掲げる政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入し、又はこれと密接な関係を有する者

(1) 公務員であるという理由により、公務員に暴行を加え、又は公務員を殺傷することを勧奨する政党その他の団体

(2) 公共の施設を不法に損傷し、又は破壊することを勧奨する政党その他の団体

(3) 工場事業場における安全保持の施設の正常な維持又は運行を停廃し、又は妨げるような争議行為を勧奨する政党その他の団体

カ オ又はワに規定する政党その他の団体の目的を達するため、印刷物、映画その他の文書図画を作成し、頒布し、又は展示した者

ヨ イからカまでに掲げる者のほか、法務大臣が日本国の利益又は公安を害する行為を行つたと認定する者

 

まず、イについてですが、入管法19条1項は、就労することができない、または就労活動の内容が制限されている在留資格を

有する外国人が資格外活動を得ずに就労することを禁止しています。しかし、退去強制手続との関係では、禁止されている就労活動を行った場合がすべて退去強制事由に該当するわけではありません。入管法24条4号イでは「専ら行っていると明らかに認められる者」と規定されており、この「専ら行っている」の解釈が問題となります。

 この点、東京地裁の裁判例ではこのように判断しています。「留学の在留資格を有する外国人が、入管法24条4号イの定める専業活動要件に当たるというためには、原告の本邦における学生としての生活及び就労等の状況、就労に至った経緯、学費及び生活費の支出状況、本国からの送金の状況及び使途等を総合考慮して在留を正当化する本来の在留資格である留学が実質的に変更されたものと認められるか否かという観点から判定」すべきである旨を述べ、入管法19条1項に違反する就労活動をしつつも真面目に勉学に励んでいた留学生について退去強制事由に該当しないと判断したものがあります。資格外活動の場合には退去強制事由に該当するか否か争いになる場合が多いです。しかし、専らの要件を満たさない場合であっても、資格外活動を理由に入管法73条に基づき禁固以上の刑に処せられると別途退去強制事由に該当することになります。

ロはいわゆるオーバーステイの場合ということになります。ㇵは有罪判決は要件となっていません。

二については刑に処せられたものとなっており、有罪判決の確定が必要です。なお、執行猶予判決も含みます。

ホは入管法の集団密航に係る罪、他人の不法入国等の実行を容易にする目的での不正な旅行証明書または身分証明書の入手・所持・提供等、不法入国者の蔵匿・隠避の罪で刑に処せられたものであり、有罪判決の確定が必要です。なお、執行猶予判決も含まれます。

へは上述のように、資格外活動の罪に基づいて禁固以上の刑を受けた場合になります。なお、

入管法73条は以下のように規定されています。

 

第七十三条  第七十条第一項第四号に該当する場合を除き、第十九条第一項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行つた者は、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。

 

トは刑に処せられたものとなっており、有罪判決の確定が必要になります。

チは薬物犯罪に関する規定で、有罪判決(執行猶予を含む)の確定が必要です。

リは刑罰を受けた者全般に関する規定です。無期又は1年を超える懲役または禁錮刑に処せられた者となっています。ただし、刑の全部の執行猶予を受けた者等は除外されています。有罪判決の確定が必要です。

ヌは売春関係に関する規定です。これについては有罪判決等は要件になっていません。

ルは不法入国不法上陸の教唆、ほう助に関する規定です。これについても有罪判決等は要件となっていません。

オ、ワ、カは暴力主義的破壊活動者に関する規定です。これについても有罪判決等は要件となっていません。ヨは利益公安条項該当者です。これについても、有罪判決等は要件となっていません。

 

以上のように、有罪判決を受けたことが退去強制事由になっているものがあります。退去強制事由に該当する場合には退去強制手続が進行し、退去強制事由事態に争いはないが、日本での在留を継続したいという場合には在留特別許可を目指すことになります。このような場合、刑事裁判の段階から在留特別許可を視野に入れて弁護活動をする必要があります。そのため、できれば、当初から刑事弁護、入管事件の双方を取り扱う弁護士に依頼すると良いと思われます。

 

中国人、外国人の退去強制、在留特別許可、逮捕、刑事弁護に関するご相談は、中国語の話せる弁護士永田洋子にご相談ください。

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中国人の刑事弁護(保釈)

2017-04-26

逮捕勾留された後、勾留満期日になると、検察官が終局処分をすることになります。この場合、不起訴や略式罰金になった場合には、釈放されることになります。

 これに対して、起訴されて、公判請求されると、被疑者勾留は被告人勾留に切り替わり、原則として裁判が終わるまで身柄拘束が続くことになります。被疑者勾留は、まず10日間、延長されてさらに10日間といったものになりますが、被告人勾留は、まず2か月間、1か月更新という期間になっていきます。被告人勾留されると精神的にどんどん辛くなっていくと思われます。そこで、重要なのが、保釈という制度になります。

保釈とうのは、裁判所の許可により、保釈保証金を納めることにより、裁判が終わるまでの間、身柄を開放してもらえる制度です。保釈には、権利保釈、裁量保釈、義務保釈があります。以下条文をご紹介します。

 

第八十九条  保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。

一  被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。

二  被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。

三  被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。

四  被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

五  被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。

六  被告人の氏名又は住居が分からないとき。

 

第九十条  裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。

 

第九十一条  勾留による拘禁が不当に長くなつたときは、裁判所は、第八十八条に規定する者の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。

2  第八十二条第三項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。

 

実務上、権利保釈が認められることは非常に少なく、裁量保釈で認められることがほとんどなので、90条に記載されているような事情をしっかりと主張する必要があるといえます。その際には、弁護人作成の保釈請求書の他、本人作成の誓約書、ご家族の身元引受書、上申書等々を提出していくことになると思われます。

 保釈請求は裁判所(裁判官)にすることになりますが、裁判所に提出ご、裁判所は検察官に意見を聞くことになります(求意見)。検察官からの意見を検討したうえで、裁判所は保釈を許可するか否かを決めます。弁護人としては、裁判官と面談し、説得することが重要となります。実務上検察官の意見では、相当、しかるべく、不相当があります。相当やしかるべくは中々ありません。大体が不相当となっていて、検察官の厳しい態度を表明するときは不相当にプラスして直ちに却下するべきとか却下するべき等の記載がなされます。検察官の意見が厳しいと、保釈許可も厳しくなるのが実情です。

 保釈がなされる際には、保釈保証金(いわゆる保釈金)の額も決められます。通常の事件ですと、大体150~200万円程度となります。保釈金が用意できないばあいには保釈支援協会や弁護士協同組合の保釈保証書事業等が使える可能性がありますので、担当の弁護士と相談するのが良いでしょう。

 保釈が認められなかった場合には、準抗告や抗告をすることが可能です。保釈が認められるか否かは非常に重要ですので、弁護士と相談しながらあきらめずに請求していくことが重要と思われます。

 

中国人の刑事事件、保釈、示談、不起訴に関するご相談は、中国語の話せる弁護士永田洋子にご相談ください。

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中国人の刑事弁護(盗撮)

2017-04-25

駅の階段で盗撮をしてしまった。駅のエスカレーターで盗撮をしてしまった。デパート内で盗撮をしてしまった。スマホを使用して盗撮してしまった。等々。盗撮をして警察に逮捕、捕まってしまった場合、どのように対応したらよいでしょうか。ここでは解説させていただきます。盗撮の場合、盗撮した場所等で適用される法令が異なってきます。多くはいわゆる迷惑防止条例違反ですが、建造物侵入や軽犯罪法が適用される場合があります。以下では、条文をご紹介いたします。

 

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。

一 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。

二 公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。

三 前二号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。

(罰則)

第八条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

一 第二条の規定に違反した者

二 第五条第一項又は第二項の規定に違反した者(次項に該当する者を除く。)

三 第五条の二第一項の規定に違反した者

2 第五条第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定に違反して撮影した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 

(住居侵入等)

刑法第130条

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 

軽犯罪法

第1条

左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

23号

正当な理由なくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

 

このように、適用可能性のある法例を挙げてみましたが、通常、駅の階段や電車内等の公共の場所で盗撮行為を行った場合には条例違反となります。しかし、会社のオフィスのトイレ等で盗撮行為を行った場合には、条例にある公共の場所等の要件を満たしません。そこで、トイレや更衣室に侵入したということで建造物侵入罪が適用されて処罰されることになります。建造物侵入にも該当しないような場合には、レンズを通して覗き見たということで議論はありますが、軽犯罪法が適用される可能性があります。

 このような盗撮行為を行ってしまった場合、条例違反の場合には盗撮をされた被害者と示談をしていくことが有効となります。被害者と示談するためには弁護士に依頼することが必要になってきます。条例違反の盗撮の場合、前科等がなければ、示談をすれば不起訴になる可能性は高いのが、前科が付くことが防げます。

 建造物侵入の場合には、示談をする相手を考えなければなりません。というのは、検図物侵入罪の場合には、法的な被害者は建造物の管理者ということになるからです。盗撮された被害者は事実上の被害者であり、法的な被害者ではありません。とはいっても、事実上の被害者は盗撮された方ですので、その被害者と示談するのが良いと思います。ただ、これは丹津検察官の考え方にもよるので、弁護士を通じて誰と示談するのが一番有効か確認しながら進めていくのが良いでしょう。

 軽犯罪法違反の場合には、法定刑が軽いこともあり、放っておいても不起訴になる可能性はありますが、被害者と示談をすることによって不起訴の可能性を高めることも可能です。

 示談するというと、加害者の独りよがりというイメージがありますが、被害者からしても謝罪と適正な賠償を受けることができますので、被害者保護になります。当然被害者が嫌がっている場合には弁護士も会うことはできませんが、賠償を受ける機会を提供するということが被害者保護につながると思いますので、私は謝罪と賠償、示談交渉をしていくことにはとても意義があると思っています。

 なお、上述しましたが、基本的に示談する場合には弁護士に依頼するしかありません。刑事弁護、示談交渉を依頼することができるのは弁護士だけですし、被害者の個人情報を加害者本人に警察、検察は教えてくれません。また、被害者本人も教えたがりません。そのため、私たち弁護士は、被害者の情報を加害者には教えないという前提で被害者の連絡先を聞き、示談交渉をしていき、被害者の方が安心して示談交渉をすることができるのです。

 なお、否認している場合でも、取調べ対応が非常に重要になりますので、できるだけ早く弁護士に依頼することをお勧めします。特に、盗撮の場合は、県ごとに微妙に条例の内容が異なっていますので、構成要件該当性が問題になることがあります。できるだけ早く弁護士に相談しましょう。

 盗撮で逮捕された場合、検察官、裁判官に意見書を提出する等、しっかり活動をすれば釈放される可能性は高くなります。

 

 

中国人の刑事事件、逮捕、盗撮、示談に関するご相談は、中国語の話せる弁護士永田洋子にご相談ください。

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退去強制事由(入管法24条4号の2)、中国人の刑事弁護と入管

2017-04-25

入管法24条4号の2では、以下のように退去強制事由が規定されています。

 

第24条  次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続により、本邦からの退去を強制することができる。

四の二  別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者で、刑法第二編第十二章 、第十六章から第十九章まで、第二十三章、第二十六章、第二十七章、第三十一章、第三十三章、第三十六章、第三十七章若しくは第三十九章の罪、暴力行為等処罰に関する法律第一条、第一条ノ二若しくは第一条ノ三(刑法第二百二十二条 又は第二百六十一条 に係る部分を除く。)の罪、盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第十五条 若しくは第十六条 の罪又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第二条 若しくは第六条第一項 の罪により懲役又は禁錮に処せられたもの

 

別表第一の在留資格とは、技能、技術、国際業務・人文知識、留学、短期滞在、技能実習、興行、経営管理、等の在留資格のことをいい、別表2(永住者、日本人配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)は含まれないことになります。

 

対象となる犯罪は、以下のとおりとなります。

刑法

第十二章 住居を侵す罪

(住居侵入等)

第百三十条  正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

第十六章 通貨偽造の罪

(通貨偽造及び行使等)

第百四十八条  行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

2  偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。

(外国通貨偽造及び行使等)

第百四十九条  行使の目的で、日本国内に流通している外国の貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、二年以上の有期懲役に処する。

2  偽造又は変造の外国の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。

(偽造通貨等収得)

第百五十条  行使の目的で、偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を収得した者は、三年以下の懲役に処する。

(未遂罪)

第百五十一条  前三条の罪の未遂は、罰する。

(収得後知情行使等)

第百五十二条  貨幣、紙幣又は銀行券を収得した後に、それが偽造又は変造のものであることを知って、これを行使し、又は行使の目的で人に交付した者は、その額面価格の三倍以下の罰金又は科料に処する。ただし、二千円以下にすることはできない。

(通貨偽造等準備)

第百五十三条  貨幣、紙幣又は銀行券の偽造又は変造の用に供する目的で、器械又は原料を準備した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

 

第十七章 文書偽造の罪

(詔書偽造等)

第百五十四条  行使の目的で、御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

2  御璽若しくは国璽を押し又は御名を署した詔書その他の文書を変造した者も、前項と同様とする。

(公文書偽造等)

第百五十五条  行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

2  公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。

3  前二項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

(虚偽公文書作成等)

第百五十六条  公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。

(公正証書原本不実記載等)

第百五十七条  公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

2  公務員に対し虚偽の申立てをして、免状、鑑札又は旅券に不実の記載をさせた者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

3  前二項の罪の未遂は、罰する。

(偽造公文書行使等)

第百五十八条  第百五十四条から前条までの文書若しくは図画を行使し、又は前条第一項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。

2  前項の罪の未遂は、罰する。

(私文書偽造等)

第百五十九条  行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

2  他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。

3  前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

(虚偽診断書等作成)

第百六十条  医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡証書に虚偽の記載をしたときは、三年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。

(偽造私文書等行使)

第百六十一条  前二条の文書又は図画を行使した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載をした者と同一の刑に処する。

2  前項の罪の未遂は、罰する。

(電磁的記録不正作出及び供用)

第百六十一条の二  人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

2  前項の罪が公務所又は公務員により作られるべき電磁的記録に係るときは、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

3  不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、第一項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。

4  前項の罪の未遂は、罰する。

 

第十八章 有価証券偽造の罪

(有価証券偽造等)

第百六十二条  行使の目的で、公債証書、官庁の証券、会社の株券その他の有価証券を偽造し、又は変造した者は、三月以上十年以下の懲役に処する。

2  行使の目的で、有価証券に虚偽の記入をした者も、前項と同様とする。

(偽造有価証券行使等)

第百六十三条  偽造若しくは変造の有価証券又は虚偽の記入がある有価証券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者は、三月以上十年以下の懲役に処する。

2  前項の罪の未遂は、罰する。

第十八章の二 支払用カード電磁的記録に関する罪

(支払用カード電磁的記録不正作出等)

第百六十三条の二  人の財産上の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する電磁的記録であって、クレジットカードその他の代金又は料金の支払用のカードを構成するものを不正に作った者は、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録を不正に作った者も、同様とする。

2  不正に作られた前項の電磁的記録を、同項の目的で、人の財産上の事務処理の用に供した者も、同項と同様とする。

3  不正に作られた第一項の電磁的記録をその構成部分とするカードを、同項の目的で、譲り渡し、貸し渡し、又は輸入した者も、同項と同様とする。

(不正電磁的記録カード所持)

第百六十三条の三  前条第一項の目的で、同条第三項のカードを所持した者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(支払用カード電磁的記録不正作出準備)

第百六十三条の四  第百六十三条の二第一項の犯罪行為の用に供する目的で、同項の電磁的記録の情報を取得した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。情を知って、その情報を提供した者も、同様とする。

2  不正に取得された第百六十三条の二第一項の電磁的記録の情報を、前項の目的で保管した者も、同項と同様とする。

3  第一項の目的で、器械又は原料を準備した者も、同項と同様とする。

(未遂罪)

第百六十三条の五  第百六十三条の二及び前条第一項の罪の未遂は、罰する。

 

第十九章 印章偽造の罪

(御璽偽造及び不正使用等)

第百六十四条  行使の目的で、御璽、国璽又は御名を偽造した者は、二年以上の有期懲役に処する。

2  御璽、国璽若しくは御名を不正に使用し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用した者も、前項と同様とする。

 

(公印偽造及び不正使用等)

第百六十五条  行使の目的で、公務所又は公務員の印章又は署名を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

2  公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用した者も、前項と同様とする。

(公記号偽造及び不正使用等)

第百六十六条  行使の目的で、公務所の記号を偽造した者は、三年以下の懲役に処する。

2  公務所の記号を不正に使用し、又は偽造した公務所の記号を使用した者も、前項と同様とする。

(私印偽造及び不正使用等)

第百六十七条  行使の目的で、他人の印章又は署名を偽造した者は、三年以下の懲役に処する。

2  他人の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した印章若しくは署名を使用した者も、前項と同様とする。

(未遂罪)

第百六十八条  第百六十四条第二項、第百六十五条第二項、第百六十六条第二項及び前条第二項の罪の未遂は、罰する。  

 

第二十三章 賭博及び富くじに関する罪

(賭博)

第百八十五条  賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

(常習賭博及び賭博場開張等図利)

第百八十六条  常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。

2  賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

(富くじ発売等)

第百八十七条  富くじを発売した者は、二年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処する。

2  富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

3  前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科料に処する。

 

第二十六章 殺人の罪

(殺人)

第百九十九条  人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

第二百条  削除

(予備)

第二百一条  第百九十九条の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。

(自殺関与及び同意殺人)

第二百二条  人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。

(未遂罪)

第二百三条  第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。

 

第二十七章 傷害の罪

(傷害)

第二百四条  人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(傷害致死)

第二百五条  身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

(現場助勢)

第二百六条  前二条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

(同時傷害の特例)

第二百七条  二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。

(暴行)

第二百八条  暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

(凶器準備集合及び結集)

第二百八条の二  二人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2  前項の場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた者は、三年以下の懲役に処する。

 

第三十一章 逮捕及び監禁の罪

(逮捕及び監禁)

第二百二十条  不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

(逮捕等致死傷)

第二百二十一条  前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

 

第三十三章 略取、誘拐及び人身売買の罪

(未成年者略取及び誘拐)

第二百二十四条  未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

(営利目的等略取及び誘拐)

第二百二十五条  営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

(身の代金目的略取等)

第二百二十五条の二  近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

2  人を略取し又は誘拐した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、前項と同様とする。

(所在国外移送目的略取及び誘拐)

第二百二十六条  所在国外に移送する目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、二年以上の有期懲役に処する。

(人身売買)

第二百二十六条の二  人を買い受けた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

2  未成年者を買い受けた者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

3  営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を買い受けた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

4  人を売り渡した者も、前項と同様とする。

5  所在国外に移送する目的で、人を売買した者は、二年以上の有期懲役に処する。

(被略取者等所在国外移送)

第二百二十六条の三  略取され、誘拐され、又は売買された者を所在国外に移送した者は、二年以上の有期懲役に処する。

(被略取者引渡し等)

第二百二十七条  第二百二十四条、第二百二十五条又は前三条の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

2  第二百二十五条の二第一項の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され又は誘拐された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

3  営利、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、又は蔵匿した者は、六月以上七年以下の懲役に処する。

4  第二百二十五条の二第一項の目的で、略取され又は誘拐された者を収受した者は、二年以上の有期懲役に処する。略取され又は誘拐された者を収受した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、同様とする。

(未遂罪)

第二百二十八条  第二百二十四条、第二百二十五条、第二百二十五条の二第一項、第二百二十六条から第二百二十六条の三まで並びに前条第一項から第三項まで及び第四項前段の罪の未遂は、罰する。

(解放による刑の減軽)

第二百二十八条の二  第二百二十五条の二又は第二百二十七条第二項若しくは第四項の罪を犯した者が、公訴が提起される前に、略取され又は誘拐された者を安全な場所に解放したときは、その刑を減軽する。

(身の代金目的略取等予備)

第二百二十八条の三  第二百二十五条の二第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

(親告罪)

第二百二十九条  第二百二十四条の罪、第二百二十五条の罪及びこれらの罪を幇助する目的で犯した第二百二十七条第一項の罪並びに同条第三項の罪並びにこれらの罪の未遂罪は、営利又は生命若しくは身体に対する加害の目的による場合を除き、告訴がなければ公訴を提起することができない。ただし、略取され、誘拐され、又は売買された者が犯人と婚姻をしたときは、婚姻の無効又は取消しの裁判が確定した後でなければ、告訴の効力がない。

 

第三十六章 窃盗及び強盗の罪

(窃盗)

第二百三十五条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(不動産侵奪)

第二百三十五条の二  他人の不動産を侵奪した者は、十年以下の懲役に処する。

(強盗)

第二百三十六条  暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(強盗予備)

第二百三十七条  強盗の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。

(事後強盗)

第二百三十八条  窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

(昏酔強盗)

第二百三十九条  人を昏酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。

(強盗致死傷)

第二百四十条  強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

(強盗強姦及び同致死)

第二百四十一条  強盗が女子を強姦したときは、無期又は七年以上の懲役に処する。よって女子を死亡させたときは、死刑又は無期懲役に処する。

(他人の占有等に係る自己の財物)

第二百四十二条  自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。

(未遂罪)

第二百四十三条  第二百三十五条から第二百三十六条まで及び第二百三十八条から第二百四十一条までの罪の未遂は、罰する。

(親族間の犯罪に関する特例)

第二百四十四条  配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。

2  前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

3  前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

(電気)

第二百四十五条  この章の罪については、電気は、財物とみなす。

 

第三十七章 詐欺及び恐喝の罪

(詐欺)

第二百四十六条  人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(電子計算機使用詐欺)

第二百四十六条の二  前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。

(背任)

第二百四十七条  他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(準詐欺)

第二百四十八条  未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。

(恐喝)

第二百四十九条  人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(未遂罪)

第二百五十条  この章の罪の未遂は、罰する。

(準用)

第二百五十一条  第二百四十二条、第二百四十四条及び第二百四十五条の規定は、この章の罪について準用する。

 

第三十九章 盗品等に関する罪

(盗品譲受け等)

第二百五十六条  盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。

2  前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。

(親族等の間の犯罪に関する特例)

第二百五十七条  配偶者との間又は直系血族、同居の親族若しくはこれらの者の配偶者との間で前条の罪を犯した者は、その刑を免除する。

2  前項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

 

暴力行為等処罰に関する法律

第一条  団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ、団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ数人共同シテ刑法 (明治四十年法律第四十五号)第二百八条 、第二百二十二条又ハ第二百六十一条ノ罪ヲ犯シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス

第一条ノ二  銃砲又ハ刀剣類ヲ用ヒテ人ノ身体ヲ傷害シタル者ハ一年以上十五年以下ノ懲役ニ処ス

2 前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス

3 前二項ノ罪ハ刑法第三条 、第三条の二及第四条の二ノ例ニ従フ

第一条ノ三  常習トシテ刑法第二百四条 、第二百八条、第二百二十二条又ハ第二百六十一条ノ罪ヲ犯シタル者人ヲ傷害シタルモノナルトキハ一年以上十五年以下ノ懲役ニ処シ其ノ他ノ場合ニ在リテハ三月以上五年以下ノ懲役ニ処ス

 

盗品等の防止及び処分に関する法律

第一条 左ノ各号ノ場合ニ於テ自己又ハ他人ノ生命、身体又ハ貞操ニ対スル現在ノ危険ヲ排除スル為犯人ヲ殺傷シタルトキハ刑法第三十六条第一項ノ防衛行為アリタルモノトス

 一 盗犯ヲ防止シ又ハ盗贓ヲ取還セントスルトキ

 二 兇器ヲ携帯シテ又ハ門戸牆壁等ヲ踰越損壊シ若ハ鎖鑰ヲ開キテ人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若ハ船舶ニ侵入スル者ヲ防止セントスルトキ

 三 故ナク人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若ハ船舶ニ侵入シタル者又ハ要求ヲ受ケテ此等ノ場所ヨリ退去セザル者ヲ排斥セントスルトキ

2 前項各号ノ場合ニ於テ自己又ハ他人ノ生命、身体又ハ貞操ニ対スル現在ノ危険アルニ非ズト雖モ行為者恐怖、驚愕、興奮又ハ狼狽ニ因リ現場ニ於テ犯人ヲ殺傷スルニ至リタルトキハ之ヲ罰セズ

第二条 常習トシテ左ノ各号ノ方法ニ依リ刑法第二百三十五条、第二百三十六条、第二百三十八条若ハ第二百三十九条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニ対シ窃盗ヲ以テ論ズベキトキハ三年以上、強盗ヲ以テ論ズベキトキハ七年以上ノ有期懲役ニ処ス

 一 兇器ヲ携帯シテ犯シタルトキ

 二 二人以上現場ニ於テ共同シテ犯シタルトキ

 三 門戸牆壁等ヲ踰越損壊シ又ハ鎖鑰ヲ開キ人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若ハ艦船ニ侵入シテ犯シタルトキ

 四 夜間人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若ハ艦船ニ侵入シテ犯シタルトキ

第三条 常習トシテ前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行為前十年内ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三回以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ対シ刑ヲ科スベキトキハ前条ノ例ニ依ル

第四条 常習トシテ刑法第二百四十条前段ノ罪若ハ第二百四十一条前段ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ハ無期又ハ十年以上ノ懲役ニ処ス

 

特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律

(特殊開錠用具の所持の禁止)

第三条  何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、特殊開錠用具を所持してはならない。

(指定侵入工具の携帯の禁止)

第四条  何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、指定侵入工具を隠して携帯してはならない。

第十五条  業務その他正当な理由によることなく所持することの情を知って特殊開錠用具を販売し、又は授与した者は、二年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第十六条  第三条又は第四条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 

対象犯罪は上記となっています。また、入管法24条4号の2の懲役又は禁錮に処せられたものとは、執行猶予を付された場合も含まれることから注意が必要です。

上記犯罪で有罪判決を受けた場合、退去強制事由に該当し、退去強制手続きが始まります。日本に残りたいという場合には、在留特別許可を目指すことになりますので、できれば、刑事弁護と入管事件の両方を取り扱っている弁護士に依頼されることをお勧めします。

 

中国人、外国人の退去強制、在留特別許可、逮捕、刑事弁護に関するご相談は、中国語の話せる弁護士永田洋子にご相談ください。

電話番号は0800-700-2323

中国人の刑事弁護(接見、面会)

2017-04-25

逮捕、勾留されてしまった場合、弁護人との接見は非常に重要となります。逮捕勾留されてしまったばあい、携帯電話等を使用することはできず、外部との連絡とれなくなってしまいます。会社に勤務している方からすればいきなり逮捕されてしまった場合、会社と連絡取れなくなりますので、無断欠勤等になってしまいます。自営業の方でも外部と連絡がとれなくなりますので、仕事に関する各種指示等もできなくなってしまいます。

 接見禁止処分がなされていない場合には、ご家族や友人のかたでも、一般面会をすることが可能です。しかし、一般面会の場合、面会時間が1回10分程度に制限されることが多く、また係官が立ち会いますので、あまり深い話はすることはできません。大体体調の話や差し入れのことを話していると終了してしまいます。また、一般面会の場合、1日1回と制限されることが多いです。よくある話としては、ご家族が面会に行こうと思ったのに、その前にご友人が面会に行ってしまい、その日はご家族が面会できなかったということがあります。

 これに対して、弁護士面会の場合には、時間制限や回数制限はありません。また、秘密交通権が保障されていますので、係官の立ち合いもありません。このような中で、事件内容の聞き取りや取調べ対応への打ち合わせをします。また、勾留請求却下や保釈等の身柄解放を目指す場合には、誓約書や謝罪文等を作成してもらい、弁護人に宅下げしてもらうことになります。

 その他にも、仕事関係の重要なことについて弁護人に対して十分に話をすることができます。弁護士から従業員の方やご家族に伝えて、対応してもらうことになります(当然ですが、証拠隠滅関係の伝言はできませんし、しません。)

 このように、一般面会は、親しい方と面会できるという精神的な意義がありますが、事件として重要なのは弁護士接見ということになります。

 事件の内容を詳しく聞き取り、取調べ対応や身柄解放に対する準備もしていかなくてはいけません。被疑者が中国人の場合、通訳を介しての接見だと、何時間もかかってしまう可能性がありますし、正しく伝わっていない可能性もあります。また、時間に応じて通訳費用もかかってきますので、できれば、中国語を話せる弁護士に依頼した方がよいでしょう。

 

中国人の刑事事件、逮捕、示談、不起訴に関するご相談は、中国語の話せる弁護士永田洋子にご相談ください。

電話番号0800-700-2323

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